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WHITE ASHが作るその日限りのスペシャルな空間 合成・強化曲で魅了したツアー初日をレポート

2016年11月12日 15:31  リアルサウンド

リアルサウンド

WHITE ASH(写真=柴田恵理)

 WHITE ASHが11月4日、東京・TSUTAYA O-EAST公演を皮切りにツアー『Sympathy For The Monster』をスタートさせた。前回のツアーを終えてわずか4カ月足らず、8月17日に発売したミニアルバム『Quest』のリリースツアーとして、全国6公演を開催する。ツアー初日を珍しく東京会場からスタートした今回のライブは、どこか新鮮さを感じつつも工夫を凝らした楽曲の披露となり、WHITE ASHらしい特別感を感じさせるステージが展開された。


(参考:『モンスト』楽曲はどのようにして生まれる? 同作サウンド担当×WHITE ASHが語る制作秘話


 真っ暗なステージからフロア側に向かってライトが照らされ、登場するメンバーのシルエットが映し出される。山さん(Gt.)、彩(Ba.)、剛(Dr.)が演奏を始めて間もなく、遅れて登場したのび太(Gt./Vo.)が「準備はいいですか、O-EAST!」と叫び、マイクを片手にステージ上で踊りながら1曲目を歌いあげた。続いて白い照明が一気に発光し、インパクトを放った演出のなか、『Quest』のリード曲「Monster」を披露。山さんと彩がステージの最前で前のめりになりながら、演奏プレイを見せつけた。ライブの見せ方に力を入れた前回のツアーから、さらにオーディエンスを楽しませるステージングの幅で会場を魅了した。


 今回のツアーでは、『Quest』がモンスターストライクとのコラボミニアルバムであることを踏まえ、「楽曲の合成企画」コーナーが設けられていた。これは、WHITE ASHの既存の楽曲からリクエストを募集し、選ばれた2曲をMIXして披露するという試みだ。アイデアの募集には100以上の応募があり、のび太は「Aのリズムを使って、Bの曲をやるとどうなるだろうか、合成でかっこいい曲を作りました」と語り、その中から3曲を披露した。1曲目の「Velocity」と「Speed It Up」をMIXした楽曲を聴いていたところ、ギターの鋭いフレーズが楽曲を当てるヒントとなっているよう。どの曲がコラボされてるのか、演奏に釘付けになりながらも、初めて聴く楽曲にも関わらず観客はノリノリで手を挙げる。他2曲もアレンジの効いたクオリティの高い演奏を披露した。MIXした楽曲の披露を終えた後に山さんは「俺らよりノれてるぐらいの表情と動きが見れて。やってよかった、いい初日になった」と喜びを露わにした。


 その後、山さんが気持ちの良いギタープレイを奏でる「Mad T.Party(1865-2016)」や新曲の「J.D.F.R」では観客のジャンプを煽り、剛が弾むようなドラムソロを披露していく。WHITE ASHの活動は、2006年の結成から数えると、今年で10年を迎えた。のび太は「自分が信じたことをやり続けることが大事だなと思う」と観客に伝え、その思いを込めたという「Drop」を披露。最後は「Knock On Doors In You 」「Rove」といったバラードナンバーで締めくくった。幾度も歌い込まれた曲たちを艶っぽくのび太が歌いあげながら、4人がそれぞれのパフォーマンスを堂々と披露、最後の演奏を終えると「行ってきます」と会場を後にした。


 WHITE ASHはこれまでも、ライブでしか観ることのできない特別な企画を行い、参加者を楽しませてきた。残るツアーでも、新たな合成・強化曲の披露など、各地の会場に訪れたファンにとってスペシャルなライブを披露してくれることだろう。


(大和田茉椰)