体育会系上司は喜怒哀楽の表現がわかりやすい。しかしそのぶん、キツい言葉を投げかけて部下の心を折ってしまいがちな面もある。
11月7日の「5時に夢中!」(TOKYO MX)では、そんな体育会系上司への対処法をアドバイスする日刊ゲンダイの記事を紹介した。記事によると、自分にも他人にも厳しく、部下に対する叱咤が激しい典型的な体育会系上司とうまく付き合っていくためには、とにかく「褒める」ことが効くのだいう。
「褒める」といっても、人がなかなか気づかない長所を褒めることがポイントで、たとえば「いつもさりげなくフォローされていますよね。そういう内に秘めた優しさ、尊敬します」などと褒めれば喜んでくれる、と記事は伝えている。(文:みゆくらけん)
優しいところを褒めても「一瞬で忘れる」?
「厳しい上司にお手柔らかにしてもらおう」という"戦略臭"が漂いまくりだが、単純な人には効きそうだ。夜のホステスさんなんかも、意外なポイントを褒めるのは常套手段だとよく言っているし。しかしマツコ・デラックスはこれに疑問を呈した。
「これで喜ぶ人もいると思うけど、こんなこと部下に言われたら怒りそうじゃない?体育会系の人って」
確かに部下から「上から目線」で「俺だけは気づいてますよ」的に褒めアピールされることで、イラっとくる人もいそうだ。記事はあまりに「体育会系=単細胞」を前提とし過ぎているのかもしれない。
株式トレーダー・若林史江が「(体育会系の人は)一様にナルシストが多いから、褒められると喜ぶと思う」とコメントするも、マツコは「一瞬喜ぶかもしれないけど、すぐ忘れるって体育会系の人は」とし、
「対処法もクソもないと思うよ。だからもう自分が軍隊にでも入ったつもりになるしかないのよ」
と続けた。体育会系の上司を持って苦労する部分があるのはもう仕方ない、ということか。確かにバリバリ体育会系の人は、ずっと昔からそれで生きてきているため、スタイルがもう完全に根付いている人が多い。変われと言っても無理なのだ。面倒くさい部分に目を向けるより、体育会系ならではの良い部分(面倒見が良いなど)に意識を向けた方が良さそうだ。
部下ならまだいいが、上司になると周囲に上下関係の徹底を押し付け
しかし、実際に体育会系上司をもつ部下からしたら深刻に"しんどい"ようで、ヤフー知恵袋にも「体育会系の人間は部下としては使いやすいですが、上司にいたらウザイことこの上ないと思いませんか?」という投稿があった。
投稿者は体育会系が部下だとむしろ良いとし、「多少めんどくさい仕事を押し付けても文句を言いませんし、飲み会では勝手に自分を立ててくれる」と主張しているが、
「しかし上司になった途端、それを周りに強要します。仕事を押し付けるのはまだ仕方ないと思いますが、飲み会に強制参加させるとか必要以上に上下関係を厳しくするのはウザイです」
と思いを吐き出している。これに対し「体育会系上司ウザい」と共感する回答者からは、
「(体育会系上司は)自分基準だから、俺様ルールに従わないと『お前は変な奴』認定。仲間意識って部分は理解できるのですが、酒飲みながら仕事に関係ない的外れのダメ出し(お説教?)してきたときは『心底ダメだなこの人』って思いました」
との書き込みが。
しかし「体育会系の部下に仕事押し付けてる君はうざくないのかい?」「貴方も部下か後輩からそう思われているのではないですか?」という真っ当な(全うな?)鋭いツッコミ回答も……。ともあれ、体育会系とは、上司にもつと「ウザく」、部下だと「オイシイ」ものなのだろうか?
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