スーパーGTもてぎ予選担当発表：チームの戦略、悩みどころをチェック

スーパーGT最終戦の金曜走行は残念ながらウエットコンディションになってしまった。土日のセッションはドライコンディションで行われることがほぼ確実なため、チームは週末に向けたセットアップの確認ができないまま、明日の予選／決勝を迎えることになる。

　クルマのセットアップが確認できないのは悩みだが、もうひとつ、金曜日にチームを悩ませた要素がある。それは土曜／日曜、それぞれの予選アタック担当ドライバーだ。

　今回の2レース制の予選はこれまでのQ1／Q2方式と違い、第3戦の土曜、第8戦の日曜でドライバーを分けなければならない。現在のランキングや、どちらのレースにどのような方針で臨むのかなど、予選担当ドライバーの選択はチームの戦略的要素が深く関わることになる。

　そのため、少なくともGT500では取材した中で事前にどちらの予選を担当するか決定を受けたという声はドライバーからは聞こえず、ほぼすべてのチームが金曜の走行を見て、土日の予選担当を決めるというパターンになったようだ。だがその最終決定も、金曜日がウエットになったため、走行を得ての判断ができないまま、決めざるを得ない状況になってしまった。

　今回の2レースは、午前の予選で使用したタイヤをそのまま午後の決勝のスタートタイヤにしなければならない。土日はドライコンディションでの開催が確実とはいえ、午前と午後では気温差も大きく、タイヤのコンパウンド選択が難しい。いくつか用意したドライタイヤのコンパウンドを金曜にきちんと試すことができず、各チーム、エンジニアは頭を悩ませた。

　そのため、下記の予選担当表を見てわかるように、多くのチームは土曜の予選ドライバーに経験が豊富なドライバー、第1ドライバーを選択している。このもてぎ用に初めて装着するタイヤを選んでいるチームもあるようで、タイヤ開発経験が多さ、もてぎの走行経験が多さなどを理由に土曜の予選担当を決めているという。

　一方、ドライバーの立場としては、ドライコンディションの練習走行なしに、予選セッションに臨むのはできれば避けたいところ。土曜のレースで一度ドライの感触を確かめてから、日曜の予選を担当したいというのが本音で、実際、土曜を敬遠して日曜を希望するドライバーが多いのだとか。ドライバー同士で担当を決めさせるというチームもあったようだ。

　また、土曜のウエイトハンデが軽いチームとしては、日曜のウエイトハンデ0kgよりも土曜日に勝負を懸けた方が勝つ可能性が高い。そのため、土曜の予選に第1ドライバーを投入する傾向にあるようだ。


■スーパーGT第3戦／第8戦もてぎ 公式予選アタックドライバー（GT500）
※ウエイトハンデは第3戦時のもの。
No.CarRd.3 QualifyRd.8 QualifyWH1MOTUL AUTECH GT-R松田次生R.クインタレッリ56kg6WAKO'S 4CR RC F大嶋和也A.カルダレッリ46kg8ARTA NSX CONCEPT-GT松浦孝亮野尻智紀16kg12カルソニック IMPUL GT-RJ-P.デ・オリベイラ安田裕信36kg15ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT武藤英紀牧野任祐20kg17KEIHIN NSX CONCEPT-GT小暮卓史塚越広大27kg19WedsSport ADVAN RC F関口雄飛国本雄資41kg24フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R佐々木大樹柳田真孝22kg36au TOM'S RC FN.キャシディ伊藤大輔35kg37KeePer TOM'S RC F平川亮J.ロシター32kg38ZENT CERUMO RC F立川祐路石浦宏明45kg39DENSO KOBELCO SARD RC FH.コバライネン平手晃平45kg46S Road CRAFTSPORTS GT-R千代 勝正本山哲28kg64Epson NSX CONCEPT-GTB.バゲット中嶋大祐7kg100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT山本尚貴伊沢拓也19kg

■スーパーGT第3戦／第8戦もてぎ 公式予選アタックドライバー（GT300）
※ウエイトハンデは第3戦時のもの。
No.CarRd.3 QualifyRd.8 QualifyWH0GAINER TANAX GT-RA.クート富田竜一郎32kg2シンティアム・アップル・ロータス加藤寛規高橋一穂0kg3B-MAX NDDP GT-R星野一樹J.マーデンボロー49kg4グッドスマイル 初音ミク AMG片岡龍也谷口信輝36kg5マッハ車検 MC86玉中哲二影山正美0kg7Studie BMW M6荒聖治J.ミューラー17kg9GULF NAC PORSCHE 911阪口良平吉田広樹0kg11GAINER TANAX AMG GT3B.ビルドハイム平中克幸22kg18UPGARAGE BANDOH 86中山友貴山田真之亮23kg21Hitotsuyama Audi R8 LMSR.ライアン藤井誠暢29kg22アールキューズ SLS AMG GT3和田久城内政樹0kg25VivaC 86 MC土屋武士松井孝允54kg26TAISAN SARD FJ AUDI R8元嶋佑弥近藤翼6kg30TOYOTA PRIUS apr GT永井宏明佐々木孝太2kg31TOYOTA PRIUS apr GT　嵯峨宏紀中山雄一44kg33Excellence Porsche山野直也J.ベルグマイスター9kg48DIJON Racing GT-R高星明誠青木孝行2kg50ODYSSEY SLS安岡秀徒久保凜太郎0kg51JMS LMcorsa 488 GT3新田守男都筑晶裕13kg55ARTA BMW M6 GT3小林崇志高木真一48kg60SYNTIUM LMcorsa RC F GT3飯田章吉本大樹0kg61SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人山内英輝47kg63DIRECTION 108 HURACAN横溝直輝A.ザウグ0kg65LEON CVSTOS AMG-GT黒澤治樹蒲生尚弥24kg87triple a ランボルギーニ GT3佐藤公哉細川慎弥3kg88マネパ ランボルギーニ GT3織戸学平峰一貴19kg108DIRECTION 108 HURACAN竹内浩典峰尾恭輔0kg111エヴァRT初号機 Rn-s AMG GT植田正幸鶴田和弥0kg360RUNUP Group＆DOES GT-R柴田優作田中篤0kg