11月11日、スーパーGT第3戦/第8戦もてぎの公式練習日のセッションの合間、ツインリンクもてぎで2017年から導入される新型スーパーGT500クラス車両の発表会が行われた。
2017年からのGT500車両は、現在「異次元の領域(GTアソシエイション坂東正明代表)」となっているコーナリングスピードを抑制するべく、25%のダウンフォース削減を目指し規定が定められている。
すでに鈴鹿ではレクサスが投入する新型車両LC500がお披露目され、その後鈴鹿、岡山、オートポリス、富士と各メーカーが参加し開発テストが行われ、3メーカーとも参戦車種がそれぞれ明らかにされていたが、この日ツインリンクもてぎで、ついに3メーカーがそろうかたちで公式に車両がお披露目された。
レクサスLC500は、鈴鹿のときのホワイトのボディから、テストで使用されていたカーボンブラックの出でたちに。一方発表されたとおり、新たに発売されたばかりの新型NSXをベース車とするホンダNSX-GTも公の場では初公開。そしてニッサンGT-RニスモGT500は、テスト時のカモフラージュ模様がなくなり、新たに車両全体がマットブラックに彩られた。
発表会では、各メーカーの代表が新型GT500車両の開発に向けてコメントを残した。まず、いち早く車両を公開し、テスト走行も続けているレクサスの高橋敬三主査は「9月からシェイクダウンして、これまで4回のテストをし、3500kmほどの走り込みをしましたが、ダウンフォース25%減は大きな変更で、今は基礎データを取っている状況です」と語った。
「開幕までにしっかり熟成して、これからもがんばっていきたい」
一方、ホンダの山本雅史モータースポーツ部長は「新型NSXはホンダを代表するスーパースポーツ。NSX-GTでファンの皆さんに印象に残るレースをし、来年こそはチャンピオンを獲得するべく、HRD Sakuraで全力で開発しています」と語った。
「ベース車両がNSXとなったことによる大きな変更としてはデザインです。高い空力性能とデザイン性を両立したエクステリアを継承してNSX-GTはデザインされています。また、NSXのアイデンティティであるミッドシップレイアウトを採用し、勝ちにこだわっていきたいと思います」
一方、14年規定では14年、15年と連覇を達成しているニッサン。ニスモの片桐隆夫社長は「ニッサンGT-RニスモGT500の17年型についてはふたつの背景があります。ひとつは、ベース車のGT-Rが17年モデルとして大きく進歩したこと。もうひとつはスーパーGT500クラスの技術規則の改訂です」という。
「空力、冷却性能など17年モデルのGT-Rは大きく変更されていますが、その考え方や要素をGT500マシンにも受け継いでいます。技術規定の改正はそれを受け止めつつ、より空力を進化させ、速いマシンを目指していきます。また、エンジンの使用規定が1年間に3機から2機に減るので、耐久性を向上しつつ、より幅広いコンディションのなかで出力を上げ続けていきます」
17年規定の新GT500マシンは、これまで同様デザインラインと呼ばれる部分のみの空力開発が許されるが、各メーカーとも14年規定から、ダウンフォース削減に対応しつつも、大幅に洗練されていることが見て取れる。この新型GT500車両は、スーパーGT第3戦/第8戦もてぎのレースウイークに一般のファン向けにも公開される予定だ。