年収1000万円以上稼ぐ“高機能(ハイスペック)”な男性をGETする結婚のことを、「ハイスペ婚」というらしい。
女性からすれば、稼ぎが良い男性と結婚できたらそりゃラッキーだが、今はサラリーマンの平均年収415万円(国税庁・2014年)の時代。年収1000万円以上稼ぐ30代男性の割合はわずか2%(転職サービスdoda調べ・2014年)で、ハイスペ婚はかなりの難関だ。
そんな中、強烈な意志をもってハイスペ婚を目指す女性たちがいる。バブル時代ならまだしも、特にこの時代のソレ系女性は超肉食で超策士なのが特徴だ。11月2日放送されたNHK Eテレのバラエティ「ねほりんぱほりん」で、実際にハイスペ婚をした現役妻がその内情を暴露したところ、ネットで「クズ過ぎる」と話題になっている。
「結婚2日目から寝室も別。愛がないから大変です」
結婚7年目のナナコさん(仮名)は、年収1800万の会計士の夫をもつ専業主婦。高校生の頃からハイスペ婚を目標に作戦を練って暮らしていた。進路相談では先生に「合コンでモテそうな大学を紹介」してもらって進学。ハイスペックな男性に好かれる服装やマナー、テクニックを研究しまくり、大学時代は週5回合コンに通って“オトコ落とし”に余念なく生きてきたのである。
ナナコさんの「絶対に外せない」こだわりは、男性が“東大卒”であること。その理由は「日本のトップ」「親の年収も高い」「勉強ばかりしていて転がしやすい」というもの。
「東大以外は人間ではないと思い込んで探しました」
そう話すナナコさんの現夫も当然、東大卒。
「結婚式で夫の学歴を東大卒って(皆に)言った時に『それみろ、このために生きてるんだ』って思いました」
しかし、目標を達成したナナコさんを待っていたのは、虚しい結婚生活。「結婚式が頂点であとは下り坂。結婚2日目から寝室も別」で、「愛がないから大変です」と話している。そんな虚しさを埋めるために、現在はオーケストラで出会った男性(独身)と1年前から不倫しているのだとか。
「幸せ」って一体なんなのか、なんのために今がんばっているのか
番組を見た視聴者から「ひでえw」「人でなし!」「これぞゲスの極み(乙)女」と散々非難されたナナコさん。
「結婚がゴールと思ってるバカにありがちのルートやん」
との厳しい意見も目立った。
一方、結果的には虚しい結婚生活を送っているものの、徹底的に戦略を練ってハイスペ婚を実現させた努力と実行力に対しては、「こんだけ努力してるのは感心する」という声も。
最後にMCの山里亮太が
「ナナコさんにとって幸せってなんなの?」
と尋ねると、彼女は「それを探しているところです」と答えていた。もしかすると彼女にとっては、目的を達成するまでの“過程”がゲームのようで一番楽しいのかもしれない。
しかし悲惨なのは夫だ。「東大まで頑張って出て、いい仕事して、年収もすごい稼いで裏でこんなことされてんの?」と山里が呆れていたが、同じくMCのYOUは「世の常だよ」と言っていた。ハイスペ男性は女性を「見る目」を養わないと大変なことになる。
とにかく、人は何のために「今」頑張っているのかを、時に立ち止まって考えてみる必要がある。勉強を頑張るのは良い大学に入るため?良い大学に入るのは良い就職のため?そして、良い就職をするのは――「何」のため?
「幸せのため」と答えるのは簡単だが、自分の「幸せ」が何なのか、尺度はどこなのか、ソコを考えずに突っ走っては男も女も本末転倒になりますよね……と、そんなことを考えさせられた番組であった。しかし、こんな時代なのに、いやこんな時代だから、なのか?ハイスペ婚を狙って突き進む女性は、ハングリー精神の凄い本物のハンターだと思う。
ちなみに、近年は自身もハイスペで年収も高いバリキャリ女性たちが、出産後の社会復帰の難しさを考え、「リスクヘッジのために」ハイスペ婚を狙う傾向があるという。また、ハイスペ男性自身がハイスペ女性を求めることも少なくないのだとか。
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