KTMのテクニカルディレクターであるセバスチャン・リッセは、今週末のバレンシアGPでのMotoGPデビューは、2017年にチャンピオンシップにフル参戦する前のテストの延長にすぎないと述べた。
バレンシアGPでは、ミカ・カリオがKTMのRC16でワイルドカードとして参戦。来シーズンは現在ヤマハ・テック3に所属するブラッドリー・スミスとポル・エスパルガロがKTMのファクトリーチームからフル参戦する。
KTMは昨年11月に初めてテスト走行を行って以来、非公式で幅広くテストを行ってきた。リッセは、バレンシアでの結果に期待するよりもマシンの進展が焦点となるだろうと述べている。
「我々はこのレースをRC16の1回目のレースではなく、『0回目のレース』と呼んでいる。これはテストの延長だ。ただし技術面だけのテストではない」
「レースチームを運営するということは、技術面とは関係ないことだ。だから、我々はテストの状況下ではできないことで検証したいことがいろいろある。もちろんテストも多く行う」
「そういう意味では、このレースはチームにとって初めての本物のテストとなるだろう。バレンシアでレースがスタートしてから、我々は自分たちの技術力とチームのしてきた準備すべてを実際に体感することになるだろう。実戦に勝るテストはないからね」
KTMの現行のテストマシンが最初のMotoGPマシンではあるが、KTMはケニー・ロバーツのチームのエンジンサプライヤーとして2005年に短期間ながらMotoGPクラスに関わった。今回、バレンシアでカリオが走らせるマシンは基本的にはプロトタイプを改善したものとなっている。
「ほとんどゼロから開発を始めるときは、いくつかの技術的側面に正しい優先順位をつけなければうまくいくことはない」とリッセ。
「考慮すべきことはとても多く、すべてを正しいやり方でまとめなければいけない。通常、何かが改善できたときにそれを調べる一番いい方法は、コースに出て検証することだ。それ以外では何時間も、何日間も改善点について話すことだ」
「結局サーキットで裏付けをとるのが、私にとって自分たちが正しい方向に進んでいることを確かめる唯一の方法だ」
「もちろんRC16の最初の段階ではマシンがなかったから、それは不可能だった。そういうときは違うやり方でやるしかない。ベンチマークを多く行う」
「他のメーカーがなぜこれをやってきたのだろう、ということを自分で試して理解するのは問題への正しいアプローチをとる助けになる」
「コピーするという話ではない。なぜそうしたか、なぜそうしなかったかという理由を理解することから、我々は自分たちの道を見つける必要があったのだ」