2016~2017年シーズンのアジアン・ル・マン(AsLMS)には日本人ドライバーや日本に縁のあるドライバーが多数参戦している。
昨季のAsLMSでGTクラスのチャンピオンに就き、今シーズンのル・マン24時間でLMGTEアマクラス4位となった澤圭太(GTクラス)をはじめ、田中哲也(GTクラス)、飯田章(GTクラス)、濱口弘(GTクラス)、谷川達也(GTクラス)、アンドレア・カルダレッリ(GTクラス)、ケイ・コッツォリーノ(GTクラス)、エイドリアン・ザウグ(GTクラス)、リチャード・ブラッドレー(LMP3)、ストゥルアン・ムーア(LMP2)。
また、ホーピン・タン(LMP2)、オリビエ・ベレッタ(GT)、トム・ブロンキスト(GT)と、世界的にその名を知られるドライバーも名を連ねる。
AsLMSでは経歴や戦績で、プラチナ(P)、ゴールド(G)、シルバー(S)、ブロンズ(B)とドライバーは格付けされる。ちなみに前出のベレッタやブロンキストはプラチナなのだが、一方で飯田などは02年の全日本GT選手権チャンピオンであるにもかかわらずブロンズという、少しばかり首を傾げるような格付けも。
GTクラスは必ずひとりブロンズを起用しなくてはならないのだが、関係者は、このドライバー選びが勝負のキモになると口を揃える。
16~17年シーズンのAsLMS開幕戦(珠海)の様子をかいつまんでレポートしよう。レースは序盤から荒れに荒れ、コースアウトやクラッシュによりセーフティカー(SC)導入が頻発。
オフィシャルの訓練不足と、戦線離脱した車両排除に必要な重機の不足もあって、なんだかなーという緩い展開だった。
とはいえ、参加することに意義があるチームがコースから姿を消すと、欧米や日本でも観られるような耐久レースらしい展開となった。
これが初陣となるヴィンツェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)は、8番グリッドからスタートドライバーを務めたコッツォリーノの奮闘で早々に2番手に浮上し、さらにはレース序盤のSC導入を見事に利用してトップへ浮上。エイドリアン・ザウグ、コリー・ルイスへとバトンをつなぎ、残り約1時間の時点で2番手に約40秒の大差をつけて独走していた。
しかし、レース終盤のSC導入で大差を失っただけでなく、タイヤのスローパンクチャーに見舞われる不運で最終的には3位。変則的なドライバー・ストラテジーを披露した、澤の所属するクリアウォーターのフェラーリが見事な優勝を飾った。