いよいよ11月11日から栃木県のツインリンクもてぎで開幕するスーパーGT第3戦/第8戦。10日、走行を翌日に控え多くのドライバーがサーキット入りしたが、RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの山本尚貴が、まだ日本では発売されていないホンダNSXでさっそうともてぎ入りした。
26年ぶりにフルモデルチェンジし、日本では2月27日に発売が開始されるホンダのスーパースポーツカー、NSX。ホンダのエースドライバーのひとりが、発売開始前から多くの話題を集める夢のクルマを駆ってもてぎ入りした。
このNSXは、山本がホンダから貸与されているもの。すでにイベント等にも使用されており、マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンがドライブしたという一台。ドア開口部にはバトンのサインも入れられている。借りてから4日目だという山本だが、市街地でのNSXのインプレッションはどんなものなのだろうか?
「NSXに初めて乗ったのは鈴鹿サーキットでのイベントだったので、いきなりサーキットでのスポーツ走行だったんです。サーキットでは市販車っぽいどっしりとした印象があったのですが、街中で乗るとガラリと印象が変わります。ひと言で、すごく乗りやすいです」と山本。
特に山本が驚いたのは、NSXに装備されている走行シーンに合わせて最適なモードを選択できる『インテグレーテッド・ダイナミクス・システム』。クワイエット、スポーツ、スポーツプラス、トラックというモードが選べるが、「モードの幅が広くて、乗っていてドライバーが楽しめる要素がある。シーンに合わせてダイヤルを変えて乗るのがこのクルマの楽しみ方のひとつですね」という。
「家を出るときはクワイエットで静かに発進して、大きな道に出たらエンジンを使うスポーツプラスにして加速する。普通のクルマでは味わえない楽しみです」
山本はこのNSXで都内や、実家がある栃木までの往復などに使用したというが、「やっぱりすごく周囲から見られます(笑)」とのこと。「ガソリンスタンドに寄ってもそうですし、買い物に行ったら駐車場で『ちょっとクルマ見せてもらっていいですか?』と言われました。こんなことは初めてです」と山本。発売前のクルマなので当然ではあるが、すれ違うクルマ、街中で見かけた人のほぼ全員が視線を送ってくるとのこと。
「何よりカッコいいですし、性能としてもありあまるほどのポテンシャルがある。価格もなかなか手が出しづらいものにはなっていますが、だからこそ憧れの存在になったと思います」
「他のドライバーも機会があるはずですが、今回ホンダさんから貸与していただいて、こうしてスーパーGTドライバーがNSXでサーキットに来ることができるのは、ホンダがスーパーGTをプロモーションの一環として考えていただいているということですし、素晴らしい機会をいただいたと思います」
「サーキットに来るのに、今までにないワクワク感を味わいましたね」
山本が語るとおり、憧れのスーパーGT参戦車両のベースマシンを、憧れの存在であるGTドライバーが乗ってサーキットに来るのは、プロモーション効果としては絶大だ。週末、ついにNSXの名を冠した『NSX-GT』がアンベイルされる予定だけになおさらだ。もてぎで市販NSXを見たときには、ぜひその運転席にご注目いただきたい。