トップへ

ももち卒業発表でハロプロは“第三期”に突入? 変革迎えるグループのこれからを読む

2016年11月10日 16:01  リアルサウンド

リアルサウンド

カントリー・ガールズ『どーだっていいの/涙のリクエスト(初回生産限定盤A)』

 カントリー・ガールズの嗣永桃子が、11月5日に東京・新宿ReNYで開催された『カントリー・ガールズ ライブツアー2016冬』にて、2017年6月30日をもって同グループと、ハロー!プロジェクトを卒業することを発表した。


 嗣永は同日、卒業についてのブログを更新。卒業日である6月30日については「私がハロー!プロジェクト・キッズ オーディションに合格し、アイドルになって丁度15年という節目の日です」とコメントし、卒業理由について「Berryz工房が無期限の活動停止になり、同期のメンバーが自分の信じた道、やりたかったことに対しまっすぐ進んでいる姿にも後押しをされ、たくさん悩んだ結果、以前から興味のあった幼児教育についてもっと勉強をして、いずれお仕事にしたいなという気持ちが大きくなりました」と綴っている。


 今回の卒業に際して、『アイドル楽曲ディスクガイド』の編者でハロプロに詳しいピロスエ氏は、まず彼女が持つアイドルとしての個性をこう語る。


「嗣永さんは加入当初より“嗣永プロ”という別称があるほど、アイドルとしての振る舞いをプロフェッショナルにこなすメンバーとして存在感を発揮していました。その後は自身で“ももち”というニックネームを名乗って傍若無人に可愛さをアピールするキャラクターを前面へ押し出し、バラエティ番組でも重宝されるようになっています。一方でBerryz工房やBuono!での活動と並行しながら大学へ通って教員免許を取得したり、カントリー・ガールズではプレイングマネージャーとしても活躍し、自身の見せ方をわかっているクレバーなアイドルとしての実力を発揮し続けていますね」


 また、卒業のタイミングについては「そこまで意外ではなかった」と続ける。


「彼女が2年前にカントリー・ガールズのプレイングマネージャーに就任した際、『2、3年かけてメンバーを一人前にしていきたい』という目標を掲げており、卒業発表の当日がグループの2周年公演だったため、『この日に何らかの発表があるのでは』と予測していたファンも少なくなかったのではないでしょうか」


 では、嗣永の卒業でカントリー・ガールズ、そしてハロー!プロジェクトはどうなるのか。ピロスエ氏は嗣永以外の卒業メンバーにも触れつつ以下のように語った。


「カントリー・ガールズはこれまで島村嬉唄さん、稲場愛香さんとメンバーが次々抜けており、嗣永さんの卒業でグループの中での年長組が山木梨沙さんしか残らないため、変化を求められる局面に差し掛かったといえます」


 そして、ピロスエ氏は同じく2017年6月のライブをもって解散する℃-uteと合わせ「ハロプロは第三期に突入しようとしている」と述べた。


「ハロプロは1998年にスタートし、モーニング娘。や平家みちよ、松浦亜弥などを擁していた第一期を経て、2002年に『ハロー!プロジェクト・キッズ オーディション』を行ない、Berryz工房と℃-uteが生まれました。そして、未成年メンバーで構成されるワンダフルハーツと成人メンバー・OGによるエルダークラブに所属メンバーを分け、2009年3月31日にエルダークラブ全員がハロプロを卒業して、一気に若返ってから今まで、Berryz工房と℃-uteが存在感を増していった第二期が訪れたんです。嗣永さんが卒業し℃-uteが解散するとキッズ出身者はゼロになり、現存のメンバーはハロプロ研修生を経ている者たちが大半を占めるようになるため、2017年7月以降のハロプロは第三期に突入するといえることができるのではないでしょうか」


 最後に、同氏は“第三期”と定義するハロプロについて「Juice=Juiceとアンジュルムが牽引する時代になるのでは」と推察する。


「Juice=Juiceはライブハウスでの公演を積み重ねており、現場にライトなファンは訪れにくかったのですが、先日の武道館公演には多くの観客が集まっており、彼女たちのパフォーマンス力の高さに圧倒されたことでしょう。アンジュルムはメンバー固定型のJuice=Juiceと違い、卒業や加入を繰り返しつつも、何度も武道館公演を行なうまでに成長するなど、着実に力をつけています。鞘師里保や鈴木香音が抜けて新たな人材が入ってきていないモーニング娘。'16は一旦勢いが止まってしまっているため、しばらくはこの2グループが第三期の象徴として活躍していきそうです」


 嗣永の卒業を控え、より大きな地殻変動を迎えようとしているハロー!プロジェクト。2017年以降の“第三期”へ突入するまでに、さらなる変化は訪れるのだろうか。(リアルサウンド編集部)