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FUKIがデビュー1年で作り上げた温かい空間 ワンマンライブをレポート

2016年11月10日 15:01  リアルサウンド

リアルサウンド

FUKI

 FUKIが11月2日、ワンマンライブ『「LOVE DIARY」supported by MEETIA』を渋谷クラブクアトロで開催した。同公演は、FUKIのフルアルバム『LOVE DIARY』のリリースを記念して行われ、デビューから1年というFUKIにとって節目となる公演だった。


(参考:FUKIがラブストーリーに込めた、ありのままの感情「自分の中にあるものしか歌えない」


 オープニングアクトの佐藤嘉風が会場のムードを温めた後、FUKIが登場。さっそく「キミがスキ」「LOVE DIARY」といった定番ナンバーをアコースティックのバンドスタイルで披露した。続けて披露した「泣きたいんでしょ?」では、曲の途中でメンバー紹介を行い、それぞれの楽器のソロパフォーマンスで盛り上がりを見せる。バンドメンバーに囲まれたFUKIは、身体を揺らしながら、楽しそうにステージに立ち、観客もその光景と届く音楽に自然と笑顔が溢れていた。


 モンゴル800のカバー曲「小さな恋のうた(cover)」では、FUKIがアコースティックのギターの音色に合わせて歌い出す。パーカッションで心地よくメロディが進むと、徐々に楽器の音色が加わり、明るい雰囲気に変化していくFUKI流のアレンジで披露された。バンドメンバーとしても参加している佐藤と制作した楽曲「星になるから」では、星をイメージした照明を見上げながら、しっとり歌い上げるFUKIの姿が印象的だった。途中、佐藤とのハモりパートでは、美しいハーモニーが会場に響き渡った。


 MCでFUKIは、「1年前はこんな景色が目の前にあることは想像できなかったです。いつも音楽を聴いてくれて本当にありがとうございます」と笑顔で感謝の思いを伝えた。続けて、FUKIはデビュー曲「キミじゃなきゃ」を決意を込めるようにストレートに歌い上げ、芯の通った歌声で会場の観客を魅了した。


 本編の最後には「キミがスキ (LOVE DIARY Special Ver.)」を披露。1曲目に披露した「キミがスキ」とは異なる雰囲気で演奏がスタートすると、オーディエンスからは手拍子が。そのまま観客は、コンガの愉快なリズムに合わせて波に乗るように体を揺らし、その様子からはFUKIが持つビーチカルチャーの感覚が伝わってきた。同曲を歌い終えたFUKIは、客席から花束を受け取り、一度ステージを後にした。


 アンコールで再び登場したFUKIは「キミへ」を披露。MCでは「私、昔からノートにいっぱい書いていて。単純に嬉しかったこととか、悲しかったこと、悔しかったことを溜めていたのが、今、こうやって数々の言葉とか思いを歌にして、たくさんの人に届けることができてとても嬉しいです。こんな私ですがこれからも応援よろしくお願いします」と観客へ向けて素直な思いを届けた。その後に披露した「With U」では青空を描くような照明の下、FUKIが<どんな未来も光りはじめる>と歌い、デビューから1年を経て、さらに前へ進もうとする気持ちを伝えているようだった。最後には、同アルバムの表題曲「LOVE DIARY」を再び披露し、踊りながら楽しそうにステージに立つFUKIと、ゆったりとしたサウンドに体を揺らしながら手拍子で彼女のライブを楽しむ観客の姿があった。


 FUKIのストレートな思いから形作られた音楽によって、自然に笑顔が溢れてしまう空間をつくり、終始温かいムードに包まれていた今回のワンマンライブ。オフィシャルファンクラブ「Love Story」の開設も発表され、ファンとの絆を深めたFUKIが、これからますますリスナーの気持ちに寄り添った楽曲を生み出してくれるにちがいない。


(文=大和田茉椰)