日本では「お客様は神様」という考えが強く、客に喜ばれようと様々なサービスを提供する風潮がある。しかし客としては、ときに行き過ぎたサービスが逆にうっとうしく感じられることもある。
女性用コミュティサイト「ガールズちゃんねる」には11月9日、「不要だと思う接客のあれこれ」というトピックが立った。トピ主は、
「スーパーや百貨店で店員さんがバックヤードに行く際に扉で一礼されていますが、あれはなくても不快な気持ちにならないので不要ではないかと思います」
と疑問を投げかける。
やたら元気な挨拶も「客を威嚇しているのかと思った」
中でも多かったのが、アパレル店で購入した商品を店員が出口まで持ってくるのが不要、という書き込みだ。
「買った服とか、出口までお持ちします。 イラネ。なんのために?」
「出口まで買った物持ってきてくれるやつは、大袈裟でこっちが恥ずかしくなるからやめてほしい 高級店じゃない所なのにさ(笑)」
これは会計後の袋に未会計の商品入れて万引きされないようにするため、という書き込みもあったが、あくまで店の都合だ。恥ずかしくなる人がいるのむ無理はない。「結構です!」と断っても引き下がらない店員もいるという。
ほかにも、「居酒屋でのおしぼり手渡し!?自分のタイミングでやるからテーブルに置いといてって思うわ! 」という人や、スーパーでレジ係が次の客に「お待たせいたしました」とお辞儀するのが要らない接客だと指摘する人も。「そんなんいいから早くレジ打ってくれ!!!!!と毎回思う」と憤っていた。
また、客に好印象を与えるためか、やたらと大きく元気な声で挨拶する店もあるが、「客を威嚇しているのかと思った」など、店の意図に反して不快感を抱く人もいた。
原因はクレーマー客?「接客が過剰でも不足でも文句をいう」
こうした接客について、店員はどう思っているのだろうか。トピック内では店員の本音が垣間見れる。
「うちの店は、ときどき抜き打ちでミステリーショッパー(編注:覆面調査)が来て、売り場の店員が挨拶がないと減点されるので、とりあえず声掛けしてるんです。悪気はないんです。すみません」
ほかにも、「本部からの指示でしぶしぶやっている」や、「客に声をかけないとインカム越しに罵詈雑言を浴びせられる」という人も。
店側が行き過ぎた接客を従業員に強いる背景には、客が過剰なサービスを求めるからだ、とみるむきもある。
「日本人は一流のデパートやホテルにも、コンビニや激安スーパーにも同じレベルの接客態度を求めてくる。この『おもてなしの精神』を客側が都合のいいように解釈しすぎ」
「接客が過剰でも不足でも、クレーム客はいつでもクレームを言う。お客様自身の気分や心のあり方が問題だったりしますね」 などの意見だ。
店側としては予めクレームを防ぐ意図があるのだろうが、そのことで客を不快にさせては本末転倒だ。店員にも負荷がかかっているのであれば、こうした接客は一体誰のためにあるのかを考えさせられる。
あわせてよみたい:「お前は客じゃない!」と一喝