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ハミルトン「負けるための準備なんかできやしない」。圧倒的劣勢のなか逆転タイトルを狙う

2016年11月09日 14:51  AUTOSPORT web

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2016年メキシコGP ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグ(メルセデス)
メルセデスF1のルイス・ハミルトンは、ワールドチャンピオンの座をチームメイトであるニコ・ロズベルグに奪われた場合、敗北を容易に受け入れることはできないだろうと語った。最後から2戦目のブラジルGPでロズベルグがドライバーズタイトルを獲得する可能性があり、ハミルトンにとっては圧倒的に不利な状況だ。

 夏休み後、マレーシアGP決勝で首位走行中に起きた痛恨のエンジントラブルなど、いい結果が出ない時期があったものの、ハミルトンはアメリカGPとメキシコGPで優勝することで反撃し、タイトル獲得の望みを維持している。

 それでも残り2戦の段階でポイントリーダーであるロズベルグとの差は19ポイント、仮にハミルトンがブラジルGPとアブダビGPで優勝したとしても、ロズベルグが2位と3位でフィニッシュすればタイトルはロズベルグのものになる。

「どうやって負ける準備をするかなんて知らないよ」とハミルトン。

「これまでに負けた経験はあるけれど、それでも負ける準備なんてできないと思う」


 ハミルトンは2007年のF1デビューシーズンに、最終戦でタイトルを失っている。当時のポイントシステムでは勝者に与えられるポイントは10ポイント、2戦で最大20ポイント獲得できるところ、残り2戦の時点でハミルトンを17ポイント差で追っていたライコネンが2連勝を挙げて最終戦に逆転でタイトルをつかんだ。

「(今年が)あの時ほど辛くないことは分かっている」とハミルトン。

「僕はキャリアの中で何度もレースやチャンピオンシップで負けてきたから、経験がないということではないんだ」

「今は、僕が勝つより負ける可能性の方が大きいというシナリオができている」
「受け入れがたいけど、それが現実なんだ」

「人生は先に進むし、僕も先に進む。僕はそれでも3回タイトルを獲得してきた。来年は信頼性の問題に見舞われないことを心から願っている」



 アメリカとメキシコで立て続けに優勝した後、完全な実力ではなく運に左右される形でチャンピオンシップを戦うことについて“いつもとは違う”とハミルトンは感じている。

「最後の2戦では、僕が出せる限りのパフォーマンスを発揮して、マシントラブルもなくペースを見せられたら素晴らしいね」とハミルトン。

「それができるなら満足だけど、僕は何だかよく分からないものと戦っていて、成し遂げられるかどうかは分からない」
  
「間違いなく普通じゃないシナリオだ。最後まで突き進んでいくしかない」
  
「一方では悲痛な結果となる可能性があるけど、もう一方では素晴らしい結果となる可能性もある。僕の知る限り、最後の最後まで物事は変わり得る。だから、僕はあきらめないよ」