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BTCC:スバル・レヴォーグに試練? 2017年ルール変更で戦闘力減の危機

2016年11月09日 14:31  AUTOSPORT web

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シルバーライン・スバル・チームBMRのスバル・レヴォーグ
BTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、2017年に向けてテクニカルレギュレーションの一部変更を承認したが、この決定が、来季のスバル・レヴォーグの戦闘力にマイナスの影響を及ぼす可能性が出てきている。

 現在、サブフレームなどを共通化したNGTC規定(FIA/TCN-1規定)が採用されているBTCCだが、異なる車種や車型の間で不当なアドバンテージが発生しないよう、開幕前に各車の重心位置を測定する作業を行っている。これらの数値をもとに各車の最低重量などを算出して戦力均衡を図っているが、今回の変更は各車で異なる重心位置と前後重量配分を、なるべく一元化しようというもの。

 2016年シーズンに鳴り物入りでデビューしたスバル・レヴォーグは、ワゴン・エステートのボディ形状による前後重量配分と、低重心の水平対向エンジンに目をつけたチームBMRの製作によるもの。駆動系をFRとしたレヴォーグは、名手コリン・ターキントンとベテラン異端児ジェイソン・プラトをエースカーとし、ジェームス・コールとチームオーナー兼ドライバーのウォーレン・スコットによる4台体制を敷いた。

 しかし開幕当初はフューエルラインに問題を抱えた上に、ホモロゲーションしたインレットマニフォールドの形状不備で満足な吸気性能を出せず、シーズン中の6月に特認により修正。これにより文字どおり息を吹き返したマシンは、その後はシリーズ内でのペースセッターと呼べるほどの速さを身につけていた。

 こうしてグリッド上でも一線級のパフォーマンスを得たレヴォーグにとって、その重要な構成要素のひとつである重量配分が見直されることは、アドバンテージの削減につながる可能性が高いとチーム関係者は見ている。


 直近のチームマネージャー・ミーティングで採択された変更点に対して、シルバーライン・スバル・チームBMRの代表を務めるウォーレン・スコットは「決定に失望した」とコメントしたが、この採決がライバルとなるチーム代表たちの合議である点は尊重する、と述べた。

「本当に残念だ。ただしチャンピオンシップがどのように機能するか、それは我々の意思決定に委ねられており、BTCCと、そのレギュレーションに異議はない。彼らはレヴォーグの重量配分にアドバンテージがあると言うが、それは必ずしも真実ではない。シーズン後半で見せた速さは、そこまでの不振でサクセスバラストが多くない状態でのものだったことは議論するべきだと思う」

「しかし、私たちはこの決定を受け入れ努力を続けるつもりだ」

 この決定により来季のテクニカル・レギュレーションが明確化したことで、チームBMRはスバル・レヴォーグの増産が可能となったという。

「もちろん、我々のマシンを使いたいという要望があればそれに応えることは可能だ。そのために我々はすでに忙しく働いているよ」と、スコット。

 パドックの噂では、今季までのファクトリーチーム4台に加えて、インディペンデント・クラス登録によるプライベーターチームが2台のレヴォーグを投入するとみられており、先日ドニントンパークで開催されたテストに、2016年はメルセデスAクラスをドライブした19歳のエイデン・モファットがレヴォーグのステアリングを握っている。