ホルヘ・ロレンソは、2016年シーズンにおけるドゥカティの2度の勝利はよい兆候であるとヤマハからの移籍を前にして述べた。
バレンシアで行われるシリーズの最終戦は、ロレンソにとって2008年にルーキーとしてデビューを飾ったヤマハでの最後のレースとなる。
ヤマハとロレンソはワールドチャンピオンを3度獲得したが、ロレンソが今シーズンの早い段階でドゥカティとの契約を発表した時点では、ドゥカティは5年半もの間MotoGPで勝利を収めていない状態だった。
勝利を収められないなか、アンドレア・イアンノーネは8月のオーストリアGPで悲願の優勝を達成。チームメイトのアンドレア・ドビジオーゾは先週末のマレーシアGPで優勝した。
「明らかにバイクが毎年進歩しているね」とロレンソは次のように語った。
「コースに出ていく度にバイクの競争力が増していることが分かるよ。これはよい兆候だ。でも(マレーシアGPでの)勝利に僕は驚かなかった。なぜならアンドレアはいつだって一番雨に強いライダーのひとりだからね。ドライのときにドゥカティに競争力が無いとしても、あの日は雨だったんだから」
「ほとんどのサーキットでより多くのドゥカティのマシンが前の方にいるのを見るのはいい気分だ」
ロレンソはバレンシアGP後のテストでドゥカティのバイクに乗ることになるが、12月31日までヤマハの契約が有効なため、バレンシアGPが終了した1週間後に行われるヘレステストには参加することができない。
来季、ロレンソのチームメイトとなるドビジオーゾはドゥカティがデスモセディチで優勝争いの常連になるのはもうすぐだろうと信じている。
「僕たちのバイクはこの2年でとても良くなっているから、たくさんの表彰台を狙えるよ」
「もちろんまだベストなバイクでは無いし、僕たちには今年や昨年のヤマハやホンダと違って、毎回優勝争いができるバイクが無い。でももうすぐそれが手に入るよ」
11月15日にバレンシアでロレンソが初めてドゥカティのマシンに乗ってガレージから出るとき、多くの注目を集めるだろう。
ロレンソがヤマハからドゥカティに移籍してどのような結果になるか、大きなテーマのひとつになることは間違いない。そして、ロレンソは正しい時期にドゥカティへ加入したと思われている。
しかし、ドゥカティの今年の2回の優勝は、1回目はドラッグレースに用いられるような直線主体のサーキットであり、2回目はウエットでのレースだったため、コンディションに助けられたた部分もあったかもしれない。
ドゥカティは今年、タイヤの問題に悩まされてきた。暑さの中ではリアタイヤがダメになり、雨の中ではフロントから破片が落ちた。そしてアラゴンでは原因不明の劣化問題が発生した。
もしドゥカティがタイヤ問題を克服でき、ウイングレット廃止に順応できたなら、ロレンソはドゥカティでの人生を気にいるだろう。何がどうなるかわからないが、2017年シーズンがどのような展開になるか楽しみだ。