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WRC:王者が批判する出走順規定を変更へ

2016年11月09日 07:11  AUTOSPORT web

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WRCは2017年に出走順規定を変更する
世界ラリー選手権(WRC)は一部の関係者から不満の声が挙がっていた出走順規定を変更。来季から新たなルールを適用する。

 現在の規定では、ポイントリーダーが競技初日の金曜日から土曜日まで先頭走者を務める。特にグラベル(未舗装路)戦では遅くコースインするほど、路面コンディションが改善しておりタイムが出せるため、セバスチャン・オジエやシーズン半ばまでフォルクスワーゲン・モータースポーツ代表を務めていたヨースト・カピートらは早期のルール変更を訴えていた。

 WRCコミッションは先週、パリで会合を開催。その場で新たな出走順規定に関する議論が行われ、来季からポイントリーダーが先頭走者を務めるのは金曜日の1日のみとすることが決定された。

 土曜日、日曜日については各クラス暫定順位の逆順で出走。総合首位のマシンが最後にコースインする形となる。これは2014年シーズンまで採用されていたものと同じ規定となる。

 今季採用されていた出走順規定に関しては、上述の通りポイントリーダーがタイムを記録できない反面、後方走者にチャンスが巡ってくるため、今季はここまでの12戦で合計6名のウィナーを生み出す要因にもなっている。そのため、このルール変更は、今後議論を呼ぶ可能性もありそうだ。

 そのほか、パリの会合ではパワーステージで与えられるボーナスポイントについても変更を加えることで一致した。現在はパワーステージ上位3台に、それぞれ3-2-1ポイントずつの追加点が与えられてるが、来季からは上位5台まで獲得枠を拡大。それぞれ5-4-3-2-1ポイントずつの追加点が与えられる。

 また、プライベーター向けの新クラス『FIA WRCトロフィー』設立に向けた作業も開始された模様だ。このWRCトロフィーは2017年規定マシン導入に伴い、第1戦を退く現行マシンを活用するために導入されるもの。また17年型マシンは平均スピードが高まるため、主催者側には乗車するドライバーを制限したいとの意向もあるようだ。

 なお、一部ではWRCトロフィー設立により、WRC3クラスが廃止されるとの報道もされているが、これについては存続されるようだ。

 これらの新規則は今月末に行われる世界モータースポーツ評議会で承認された後、正式に施行される。