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ブリヂストン 全日本ロード第9戦鈴鹿 レースレポート

2016年11月07日 19:11  AUTOSPORT web

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全日本ロードレース JSB1000クラス 第9戦Race1
2016年全日本ロードレース【JSB1000】第9戦Race1

 レオン・ハスラム(ブリヂストン)がTeam GREENから、Team KAGAYAMAから清成龍一(DL)が参戦するなど、さまざまな話題で盛り上がりを見せるJSB1000クラス。木曜日の特別走行では唯一の2分06秒台をマークした津田拓也(ブリヂストン)がトップに立ち、チャンピオンに王手をかけた中須賀克行(ブリヂストン)は2番手発進。金曜日の合同走行ではハスラムがトップに浮上。清成は転倒負傷して欠場を発表。

 予選は全車出走のQ1でレース2のグリッドが、Q1上位100台が進出するQ2でレース1のグリッドが決定する特別ルール。2分05秒台での攻防となったQ1では、中須賀に0.023秒という僅差で津田がレース2のポールポジションを奪取し、中須賀の連続ポールポジション獲得を止めた。Q2では中須賀・ハスラム・高橋巧(ブリヂストン)の3人が2分05秒台の争いを展開。これを中須賀が制した。

 中須賀がポールシッターのレース1は8周の超スプリントレース。好スタートを切ってホールショットを奪ったのも中須賀。ハスラム・津田・野左根航汰(ブリヂストン)・渡辺一樹(ブリヂストン)と続く。

 2周目、ハスラムが中須賀を捕えてトップ浮上。中須賀、津田が食らいつき3台でのトップ争いが開始される。ここに渡辺と野左根も加わり、5台での争いに。

 3周目に入る直前の最終シケインで中須賀が首位奪回。デグナーカーブで再びハスラムが中須賀を捕える。シケインで中須賀がハスラムの前に出る。ストレートでハスラムがトップを奪回。

 5周目のヘアピンで津田が小さなミスを犯して集団最後尾までポジションダウン。さらに6周目に野左根がコースアウトを喫してトップ集団から脱落する。

 カワサキのハスラム、ヤマハの中須賀、カワサキの渡辺。3台がテールtoノーズで周回を重ねる。最終ラップに入る手前のシケインで中須賀が首位を奪回し、中須賀・ハスラム・渡辺の順でラストラップ突入。中須賀はラストスパートをかけ、ハスラムに隙を見せることなくそのまま優勝を飾り、同時に5年連続・7回目の全日本最高峰クラスチャンピオンに輝いた。


●中須賀克行(予選1位・決勝1位・JSB1000クラス 2016年チャンピオン)
「予選からずっと8周という周回数を想定してタイヤを選びましたが、最後まで高いアベレージで機能してくれるタイヤでした。最後までラップタイムを落とすことなく走ることができて、優勝もできたし、チャンピオンも決めることができました」

●山田宏(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「今回はBSBからレオン・ハスラム選手が参戦し、よりハイレベルな争いとなりました。レース1は8周の超スプリントレース。5人のライダーが激しいトップ争いを、そして3人が最後まで優勝争いをするという非常に白熱した展開となりました。優勝で5連覇・7回目のタイトル獲得をした中須賀選手とチームにお祝いを申し上げます。上位陣は、フロントは全員ミディアム、リアは渡辺選手・野左根選手・藤田選手がミディアムハードでほかはミディアムという選択になりました。超スプリントレースでしたが、6位までをブリヂストンユーザーが占めてくれたことをうれしく思います」

2016年全日本ロードレース【JSB1000】第9戦Race2
 レース2のグリッドは全車出走のQ1で決定。BSBからレオン・ハスラム(ブリヂストン)を迎えて初日からハイレベルな争いとなったが、予選でもQ1から2分05秒台の攻防が展開された。そんな中で津田拓也(ブリヂストン)が中須賀克行(ブリヂストン)に0.023秒という僅差で競り勝ちポールポジションを奪取した。

 津田は「去年の鈴鹿2&4以来のポールポジション獲得です。想定以上のタイムを出すことができました。Q1はレース用タイヤで、Q2はタイムアタックできるタイヤで臨んだのですが、Q2のタイヤは急きょ履いたものだったので、車体バランスを崩してしまいました。でもQ1のレース用タイヤでの2分05秒台は、出せるとは思っていませんでした。僕は自力でのチャンピオンはないので、明日は思い切り行って、レースをかき回したいです。」とコメントした。

 レース1が8周だったのに対して、レース2は20周という周回数が設定された。

 レース1同様に中須賀がホールショットを奪ってレースをリード。オープニングラップで2番手に浮上したのは加賀山就臣(DL)。高橋巧(ブリヂストン)、津田拓也(ブリヂストン)、ハスラムらが続く。

 オープニングラップを終えてホームストレートに戻ってきたライダーたち。突然、立ち上がり付近で加賀山がハイサイドから転倒。マシンがストレート上に横たわる形でホームストレートを滑って行く。ラインをふさがれて渡辺一樹(ブリヂストン)とハスラムも転倒。これで赤旗が出されてレースは中断となる。

 15分ほどの中断を経て改めて20周の周回数でレーススタート。渡辺の姿はグリッドになかったものの、加賀山とハスラムはこの日3回目のスタートを切った。

 今度はハスラムがホールショット。ダンロップコーナー手前で藤田拓哉(ブリヂストン)がトップを奪取。しかしバックストレートでハスラムが首位奪回。そのままオープニングラップを制する。背後につけたのは中須賀。この3台に津田・野左根航汰(ブリヂストン)・高橋が続き、6台でトップ集団を形成する。

 5周目に入る直前のシケインで津田が転倒。すぐにマシンを起こしてレース復帰するも、大きく順位を落としてしまう。ここから、ハスラム・中須賀・野左根が3台でトップ争いを開始。ファステストラップをたたき出しながら高橋が追い付き、4台の優勝争いに発展。

 12周目。スプーンカーブでハスラムがラインを外し、中須賀が前に出る。しかしハスラムはバックストレートで首位奪回。背後では高橋が野左根に並びかける。しかし首位争いも表彰台争いも順位は替わらない。

 周回遅れが出始めた15周目の2輪シケインで中須賀が前に出た。中須賀はあっと言う間にハスラムを引き離しにかかる。16周目には周回遅れをかわしながら2分06秒台にタイムを入れた中須賀は独走体制に入る。その後方では高橋が3位浮上。中須賀は最後には3秒以上の差をつけて圧勝。高橋はハスラムを捕えることはできなかったものの表彰台を獲得した。


●中須賀克行(予選2位・決勝1位)
「普段、レースでいつも履いているタイヤをセレクトしました。寒くなっても終始安定したタイムを出せたし、レース後半でベストタイムも出せました。レースもしっかりコントロールできたと思います。今回も、そして今年もブリヂストンタイヤに助けられました」

●山田宏(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「1周終了後に赤旗という波乱がありましたが、レース1同様に中盤までは激しいトップ争いが展開されました。レース1同様フロントは全員がミディアムタイヤを選択。またリアは、中須賀選手・ハスラム選手・野左根選手・藤田選手がミディアムハードをチョイスし、他選手はミディアムでした。レース1同様に上位6位までをブリヂストンユーザーが占め、また今回はハスラム選手の参戦で、2レースともに非常に盛り上がった事をうれしく思います」