レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドとチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ドライバーたちはトラックリミットを越えた場合は何らかの代償を支払うべきだと考えている。
F1サーキットの多くはランオフエリアがアスファルトになってきており、ドライバーがミスをして飛び出しても大きな不利益を被らない。
メキシコGP決勝のスタート直後、ルイス・ハミルトンはターン1でロックアップしたが、芝生を越えてターン2に抜け、ポジションを落とすことなく走り続けた。レース終盤にはマックス・フェルスタッペンがセバスチャン・ベッテルとのバトルのなかで同様にコースオフ、フェルスタッペンの場合は利益を得たと判断され、5秒加算のペナルティを科された。
トラックリミットに関し、リカルドは「僕はグラベルトラップとかそういったもののファンなんだ。あれは妥当な抑止力になると思う」と語った。
「グラベルトラップから抜け出すことができ、それなりにいいスピードを維持し、さほど大きな時間をロスせずに済んだとしても、ラジエターに何か入ったり、タイヤに石がついたりして、ある程度のデメリットはある」
「ドライバーが防御しているときにロックアップし、ミスをして、ショートカットしてそのまま走り続ける。そういうのは好きじゃない」
「1コーナーのルイス、ああいうのは正しくないと思う」
「レースのスタートは重要な瞬間だ。周囲にたくさんクルマがいるときにミスをしたなら、大きな代償を払うべきだ」
今シーズン、レッドブルリンクなど一部のサーキットでFIAはトラックリミットを厳しく取締り、ペナルティを科したが、一方でオースティンのようにドライバーが頻繁にコース外を使い続けても不問に付すケースもある。
F1商業面のボス、バーニー・エクレストンは、コーナーにウォールを設置すればいいと示唆、ホーナーはこれは極端なアイデアであると考えてはいるが、リカルドと同様、コース外を使うことへの抑止力が必要だと主張した。
「グラベルトラップを設けた方がいいという説がある。グラベルに出てしまったら大幅に時間を失うか、リタイアに終わってしまうからだ」とホーナー。
「ターマックの広いランオフエリアがあるより、グラベルの方がずっといい抑止力になる。そういう点において(メキシコの)ターン1など、いくつかのコーナーで検討すべきだと思う」
「また(スチュワードの)解釈に任せられる部分が大きすぎる。(メキシコGP決勝終盤での)マックスの動きと、モンテカルロのシケインやメキシコ(の1コーナー)のルイスの動きが、なぜ違うとみなされたのか?」
「グランプリごとに、スチュワードの解釈に委ねられる。だがグラベルトラップがあれば、代償を支払わなければならない。物事がシンプルになる」