ウイリアムズF1のテクニカルディレクター職を経て、マクラーレンF1のスポーティングディレクターも務めたサム・マイケルが、豪州のVASCヴァージン・アトランティック・スーパーカーで“レッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)”としてホールデン・コモドアを走らせるトップチーム、『トリプル・エイト・レースエンジニアリング』に移籍することが明らかになった。
サム・マイケルは2014年を最後にF1パドックを離れるまで、その20年におよぶキャリアの間にロータス、ジョーダン、ウイリアムズ、マクラーレンといった強豪チームを渡り歩いてきた。とくに後年のウイリアムズやマクラーレンではチームの要職を歴任している。
その後、彼は母国であるオーストラリアに戻っていたが、今回は地元自治体の安全協会との協業により“パートタイムでの指導者的役割”として、トリプルエイトに参加することとなった。
このトリプルエイトの運営するチームRBRAは、2018年シーズンにはホールデンの「ワークス指定」を受けファクトリーチームとなることが発表されているほか、所属する3名のドライバーは今季もタイトル争いを演じている。
先週末に開催されたニュージーランド・オークランド戦でも、ダブルヘッダーで都合4レースが行われた週末に、エースのジェイミー・ウィンカップが2勝。選手権ポイントリーダーのシェーン・ヴァン・ギズバーゲンが1勝を挙げた。また、ベテランのクレイグ・ラウンズは、今季これまで2勝を挙げるなど、激しいチャンピオンシップ争いを展開している。
ただし今回のサム・マイケル移籍により、チームは長年に渡る成功を築き上げてきたテクニカルディレクターのルード・ラクロワを失うことになる。
ラクロワは2003年にチームに加入して以来、トリプル・エイトを新興チームながら選手権を席巻するトップチームに成長させる原動力となっており、現在もラウンズのレースエンジニアとして戦っていた。