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SMAP、激動の2016年も残りわずか……ファンの気持ちと“シンクロ”する数々の出来事

2016年11月06日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 2016年末で解散の意向を発表しているSMAPが、12月21日にリリースするベストアルバム『SMAP 25 YEARS』の収録曲を発表した。「みんなで決める!みんなのベストアルバム。」と銘打たれた本作は、ファンによる投票で収録曲50曲を決定。1位に選ばれたのは2006年7月にリリースされたアルバム『Pop Up! SMAP』に収録されている「STAY」だった。


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 「STAY」は、カップルのプロポーズを歌うようなラブソング。だが、今一度歌詞を見直すと、SMAPとファン、またはSMAPメンバーそのものを歌っているようにも聞こえてくる。今の状況を踏まえて、“大事なのは…”と中居正広の歌うフレーズを耳にすると、胸がギュッとなってしまう人も多いのではないだろうか。


 また、2位に選ばれたのは、遠くに離れてしまう大事な人を想う「オレンジ」(2000年8月リリースのシングル『らいおんハート』収録)。3位は、これまでSMAPが絆を深めるときに度々かかってきた名曲「BEST FRIEND」(1992年7月リリースシングル『負けるなBaby!~Never give up』収録)だった。SMAPの持ち歌はいずれも名曲ぞろいだが、上位は解散を惜しむファンの想いを投影したような結果になったといえる。


 そんな中、SMAPとしてのラストステージは、過去23回出演してきた大晦日の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)ではなく、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)になるのではないかというニュースが報じられた。生放送のコーナーを取り入れて、5人の声を届けていく企画もされているのだそうだ。


 『SMAP×SMAP』では、10月24日から番組スタート時の初々しいコント映像を流すメモリアルコーナーを放送しており、10月31日には松任谷由実との10年ぶりのコラボレーションも実現するなど、番組なりの花道が作られているようにも見える。松任谷がメンバー1人ひとりを見つめながら「Smile for me」「守ってあげたい」を歌い上げ、後日SMAPへの想いをSNSで綴ったことも話題になった。ファンの気持ちとシンクロするような松任谷の言動に、多くの視聴者が感激したと番組HPにコメントを寄せている。


 SMAPが歩んできた道のりは、決して平坦ではなかった。たくさんのピンチがあり、そのたびにメンバーもファンも涙を流して乗り越えてきた。だからこそ、ファンにとっては「なぜ今のタイミングで解散を選んだのか」が納得できないまま、11月に突入してしまったように思える。「もう受け入れるしかない」「本人たちが選んだ道なのだから」という周囲が囁く言葉は当然届いている。だが、それでもなお、Xデーまでは心の整理がつかないというのが、長年彼らと共に歩んできたファンたちの心情なのだろう。


 演技、司会、お笑い、報道、芸術、国際交流…SMAPの軌跡は、まさにアイドルとして型破りな活動だった。だからこそ、ファンは最後まで期待してしまうのかもしれない。これほどの解散報道をも打ち破ってしまうのではないか、と。想いは行動にしないと届かない。激動の2016年も残り2カ月、思いきりSMAP色に染り、想いを伝える日々を過ごしてもいいのではないか。仮に、望み通りの結果にならなかったとしても、SMAPへの愛を誰も否定することなどできないのだから。(佐藤結衣)