最近ではファミレスなどでは各卓上に店員を呼ぶボタンがあるのが普通だが、ボタンがない飲食店に行ったとき、声を出して店員を呼ぶことに抵抗を感じる人もいる。大きな声を出すのは恥ずかしいし、それでも気づかれなかったときはやるせない気分になる。ネットでは以前から議論になるテーマだ。
2ちゃんねるには10月31日、「店員を呼ぶボタンがない飲食店って……『すみませーん』って呼ぶのが恥ずかしいじゃねえか!」というスレッドが立ち上がった。
恥ずかしい人のために、代わりに「すいません」と言ってくれるアプリも
スレ内でもやはり、「呼んでも来なかったときの気まずさ」に言及する人が多い。
「人前で話す練習をいくらしても、これだけは慣れない。やっぱりもともと内向的なんだろうな~」
「奥に引っ込んでるのを呼びたくないわ 店員出てこないと恥ずかしい 」
中には、「注文取りに来ないと意地になって待っちゃう このまえ1時間水で過ごした」という人もおり、自分が声を出して呼ぶ、ということに抵抗がある人もいるようだ。また、声をかけたら店員が嫌な顔をしてバックヤードに入ってしまったという経験を書いた人も。何も食べずに帰ったというが、気持ちはわかる。
「せやからなるべく食券のとこにいくねん 」と書く人もいた。食券システムなら、確かに店員を呼ぶ手間はかからないが、立ち食いソバや牛丼チェーンなど、店が限られてくるのが難点だ。
自分で声を出したくない人のために「すみませーん」と声が出るスマホアプリもいくつか出ている。「居酒屋すいません」というアプリでは、「サラリーマン風」「OL風」など声色を選ぶことができるほか、自分の「すいません」を録音して再生することが可能だ。それほどまでに店員を呼ぶことに抵抗を感じる人が多いということだろう。
飲食業では慢性的な人不足 対応しきれない現状も
客の立場としては呼んだらすぐに来てほしいところだが、飲食店としてはできない事情がありそうだ。帝国データバンクが今年2月に発表した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、「正社員が不足」と回答した飲食店は54.3%で全業種6位、「非正社員が不足」と回答した飲食店は85.7%でこちらは全業種1位となっている。
こうした環境だからだろうか、ネットでは店員を呼ぶ際に気を使う人の書き込みがある。
「まず店員さんの状態を見て下さいね。料理を運んでいる、他の客の接客をしているなど。まず、手を挙げて『すみません』と声をかけます。忙しい状態では聞き取れませんので、落ち着いたタイミングで。後はあなたの近くを通り過ぎた時に声をかける」
最低限の人数で店を回しているため、客からの呼びかけに応じる余裕がない、というのが現状のようだ。
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