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バンドーン、スーパーフォーミュラでの武者修行完了。「後輩にも参戦を勧める」

2016年11月04日 11:31  AUTOSPORT web

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GP2やGP3で活躍する後輩に、選択肢のひとつとしてスーパーフォーミュラ参戦を勧めるというストフェル・バンドーン
来季からF1に参戦することになるDOCOMO TEAM DANDELION RACINGのストフェル・バンドーン。1年限りの参戦となった全日本スーパーフォーミュラ選手権のシーズンを振り返った。

 2015年にGP2王座を獲得し、今年はマクラーレン・ホンダのリザーブドライバーを兼務してスーパーフォーミュラに参戦したバンドーン。最終的にチャンピオンこそ獲得できなかったが、第5戦岡山のレース1と最終戦鈴鹿のレース2で優勝。また第3戦富士では雨のなかの予選でポールポジションを獲得するなど、スーパーフォーミュラ参戦1年目とは思えない走りをみせた。



 バンドーンはシーズン開幕当初から2017年にF1へ乗ることをひとつの目標とし、その準備のために毎戦戦ってきたといい、スーパーフォーミュラで得たものは非常に大きかったという。

「スーパーフォーミュラに参戦してすごく良かったと思っているよ。全体を通して浮き沈みの激しいシーズンだったけど、たくさんの経験ができた」とバンドーン。

「シリーズはとてもコンペティティブで、才能あるドライバーがたくさんいて、とても素晴らしかった。正直、最初来た時は難しく感じたこともあったけれど、クルマのことやコースのこと、そのほかにもいろいろ経験できた」

「僕のレースキャリアにとってプラスになったよ」

 今季は全7大会9レースあったが、そのなかでもっとも印象に残っているのは第3戦富士の予選だという。降雨により走るたびにコンディションが変化していく難しい状況下だったが、Q3で一番のベストラインをみつけて、その週末に初めて走ったという富士スピードウェイでポールポジションを獲得。周囲を驚かせた。

「今年は岡山と鈴鹿で2勝できた。もちろん優勝というのはいつも嬉しいことなんだけど、それよりも嬉しかったのは富士でポールポジションを取れたことだね」


「雨だったし、Q1、Q2、Q3でコースコンディションが変化していくなかで速さをみせることができた。それが一番のいい思い出かな」

「あと今回の鈴鹿での予選Q3だね。あとちょっとのところまでポールポジションに迫れたもの、印象に残ったね」

 またバンドーンは、F1と併催されるGP2やGP3に出ているドライバーにスーパーフォーミュラへの参戦に関して相談を受けた場合、日本でのレース活動は選択肢のひとつだと勧めるという。


「F1へ辿りつく道はたくさんある。だからスーパーフォーミュラに必ず出ないとF1に乗れないということではない。僕も当初は参戦の予定はなかったけど、最終的にここに来ることになって、F1に向けての準備をしていくことになった」

「実際には充実したシーズンになったよ。プロフェッショナルなドライバーもたくさんいるし、F1の次に速いクルマを使っているレースだし、得られることも多い」

「もし彼ら後輩たちがスーパーフォーミュラで戦うチャンスがあるなら、僕は“イエス”と言って(参戦を)勧めるよ」

 また先週末は、バンドーンのもとに多くのファンが集まり、サインを求めている光景が頻繁に見られた。多くのF1ドライバーも日本のファンは熱狂的で素晴らしいと賞賛するコメントをしており、バンドーン自身も来年鈴鹿に帰ってくるのが楽しみだと明かすほど、いい思い出がたくさんできた様子だ。

「日本のファンは本当に素晴らしい、たくさん応援してもらって嬉しかったよ。僕は今年マクラーレン・ホンダのリザーブドライバーなのに、みんな注目してくれていたよ」

「どのサーキットへ行っても、いつもたくさんのファンが集まってサインを求めてきてくれた。日本のファンはとてもユニークで、ほかの国のファンとは少し違うところがある。」

「手作りの応援フラッグや帽子を持ってきているし、毎回サーキットでそれらを見るのが本当に楽しかったよ。また来年F1日本GPで戻ってくるのがすごく楽しみだよ」

 来年からいよいよF1にレギュラー参戦するバンドーン。日本のファンが彼に会えるのは1年後の日本GPとなるが、バンドーンが日本“凱旋”を果たすまでに、どんな活躍を見せてくれるのか。今から楽しみにしたい。