政治的亡命という名目でミャンマーからインディアナポリスに移り住んでいたキン・パー・タイング(Khin Par Thaing)という30歳の母親が、わが子にたびたび暴行を加えていたとして逮捕・起訴されたことを『The Indianapolis Star』紙が伝えた。キンの息子を診察した医師が「体の36か所に不自然なアザや赤いみみず腫れがある」と警察に通報し、キンがコートハンガーで叩いたり傷つけたりしていたことが明るみに出たという。
詭弁のように思われるが、キンとその弁護士はこの州で昨年誕生していた「宗教の自由回復法(Indiana’s Religious Freedom Restoration Act)」を盾にとっていたのだ。この新法は拡大解釈が可能なため、早い話が被告は裁判で“宗教上の理由でそれを行った”と正義感たっぷりに弁明することが可能になる。利用範囲が非常に広く、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)への社会的差別にも言い訳として適用されるとして、米国市民の間に大きな波紋を広げている。