2016メキシコグランプリ決勝
メルセデスのルイス・ハミルトン、1ストップ戦略で優勝:
メキシコグランプリ史上、屈指の高速スピードを計測
1ストップと2ストップ戦略が展開:
大半のドライバーがソフトでスタート後、1ストップ戦略を採用
レッドブルのダニエル・リカルドは独自の戦略を実行:1周でミディアムへ交換し、全3種類のスリックコンパウンドを使用
2016年10月30日、メキシコシティ
メルセデスのルイス・ハミルトンが、ポール・トゥ・ウインでメキシコグランプリを制しました。ソフトタイヤでスタートしたハミルトンは、ミディアムへ交換する1ストップ戦略を採りました。
レース中のスピードトラップで、ウィリアムズのヴァルテッリ・ボッタスが、ミディアムタイヤで時速372kmを計測しました。このスピードは、Formula1の決勝における最高速度に迫るものです。
フロントローを独占したメルセデスを含む大半のドライバーが、ソフトコンパウンドでスタートしました。2列目に並んだレッドブルの2台は、スーパーソフトでスタートしました。
スーパーソフトは、ソフトよりも短い第1スティントになる代償として、理論的にはスピードのアドバンテージをレッドブルにもたらすことを可能にしました。
しかし、ダニエル・リカルドは、1周目のバーチャルセーフティーカー導入中にミディアムタイヤへ交換し、その後、2回目のピットストップでソフトへ交換しました。
全3種類のスリックコンパウンドを使用したリカルドは、最終スティントでのソフトタイヤのスピードを活かして4位を獲得しました。
トロ・ロッソのダニエル・クビアトとミディアムでスタートしたザウバーのフェリペ・ナッセ以外のドライバーは、第2スティントでミディアムタイヤを使用しました。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、ソフト勢で最長の第1スティントを走行し、32周目にミディアムへ交換しました。
ナッセは、全体で最長の第1スティントをミディアムで走行後、49周目にスーパーソフトへ交換しました。レース全体を通して、全コンパウンドの一貫した性能が示されました。
ルノーのジョリオン・パーマーは、1周を除く全ラップをミディアムタイヤで走行しました。
今日のレースにおける戦略計算の鍵となったのは、ピットストップにより多くの時間を要する、シーズン中で最長のピットレーンでした。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターポール・ヘンベリーのコメント:
「フロントローがソフトで、2列目がスーパーソフトでスタートするなど、戦略的要素が濃い決勝でした。各チームは、戦略に関して数多くの不確定要素があった中、レースに起こる諸状況に対応しつつ、あらゆるチャンスを最大限に活用しなければなりませんでした。結果的には予測通り、大半のドライバーがタイヤの摩耗率の低さを活かして1ストップで完走することができました」
コンパウンド毎のラップタイム上位:
ミディアム
1.ベッテル1分22秒497
2.ライコネン1分22秒512
3.ハミルトン1分22秒596
ソフト
1.リカルド1分21秒134
2.ハミルトン1分23秒045
3.ベッテル1分23秒197
スーパーソフト
1.マグヌッセン1分23秒146
2.フェルスタッペン1分23秒397
3.クビアト1分23秒618
最長スティント:
ミディアム69周(エリクソン、パーマー)
ソフト34周(クビアト)
スーパーソフト23周(クビアト)
Truthometer:
ソフトでスタートしたルイス・ハミルトンは、17周目にミディアムへ交換しました。2位を獲得したチームメイトのニコ・ロズベルグも同様の戦略を採用し、20周目にピットストップを行いました。