2016年10月31日
トヨタ自動車株式会社
モータースポーツマーケティング部
WEC第8戦 上海6時間 プレビュー
TOYOTA GAZOO Racing
第8戦上海。富士“凱旋”勝利の勢いで表彰台獲得へ
2016年のFIA世界耐久選手権(WEC)も残り2戦。TOYOTA GAZOO Racingは11月6日(日)に中国・上海インターナショナル・サーキットで開催されるWEC第8戦上海6時間レースへ、富士からの2連勝達成に挑む。
前戦、TOYOTA GAZOO RacingのTS050 HYBRID #6号車がトヨタのホームコースである富士スピードウェイで勝利を挙げ、小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの3名はドライバーズ選手権でも2位へと躍進した。
#6号車の3名は、ドライバーズ選手権ランキングで8月の第4戦ニュルブルクリンク終了時点の首位との差をここまでで21ポイント縮め、23ポイント差で追っている。今季の残り2戦で最大52ポイントを獲得することが出来、逆転タイトル獲得へ向け、最後の2戦に全力で挑む。
中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミのTS050 HYBRID #5号車は、今季これまで様々な不運に見舞われてきたが、前戦富士では僅差の4位完走を果たしており、上海ではシーズン初の表彰台を目指す。
このレースも前戦同様の接近戦となることが予想される。直近の2レースでは、LM P1-Hで参戦の3社による三つ巴のトップ争いが繰り広げられ、6時間に渡る激闘の末に、トップ3が30秒以内の僅差でフィニッシュするという厳しい戦いとなっている。
トヨタは1周5.451kmの上海インターナショナル・サーキットで、2012年と2014年の優勝を含む4回の表彰台という好結果を残している。
市街中心部から40km程離れて位置する上海サーキットは2004年に開設され、新たにWECが開催された2012年からシリーズの1戦に組み入れられている。それ以前にも、中国では2010年と2011年、広東省の珠海インターナショナル・サーキットでアジアン・ル・マン・シリーズの耐久レースが行われていた。
11月4日(金)の2回にわたる90分の公式練習走行から、あわただしさの中でレースウィークが始まる。
5日(土)午前中に行われる1時間の最終公式練習走行までにはTS050 HYBRIDの最適な状態のセットアップを仕上げなくてはならない。決勝のスターティンググリッド、そして1ポイントが獲得出来るポールポジションを決める公式予選は現地時間午後2時(日本時間午後3時)から行われる。
そして、6日(日)午前11時(日本時間正午)に6時間の決勝レースのスタートが切られる。
佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racingチーム代表:
前戦、ホームとなる富士スピードウェイでは表彰台の頂点に戻ることが出来、大変嬉しく思います。この勢いを維持し、表彰台内での戦いを続けながら良い結果でシーズンを終えられるように全力を尽くします。
現在のWECの競争レベルは驚くほど拮抗しており、特にここ数戦は、最後までスプリントレースのような戦いが続き、LMP1-Hの3社の車両が6時間に渡って終始、僅差の接戦を繰り広げました。それだけに、我々が目標を達成するためには、常に最大のパフォーマンスを発揮し続けなくてはなりません。週末の上海での戦いもとても楽しみです。
中嶋一貴:
今週末の上海のレースが楽しみです。我々のTS050 HYBRIDは前戦富士で着実に調子を上げて来ました。もちろん我々の目標はここでの優勝です。ここ2戦の拮抗した激戦をファンの皆様にご覧いただけるのは素晴らしいことであり、戦っているドライバーにとってもエキサイティングです。表彰台に上らなくなって随分と長い時間が経ってしまいましたが、必ずチャンスは来ると思っています。
アンソニー・デビッドソン:
私は2004年に初めてF1でこのコースを走りました。大変にチャレンジングなサーキットで、たくさんの素晴らしい特徴があります。中でも1コーナーから、タイトなセクションが続いたあとバックストレートへと向かうコーナーはとても魅力的です。
高速コーナーと長いストレートがあり、エンジニアにとっても簡単なコースではありません。いつ走っても楽しいコースなので、TS050 HYBRIDで走るのが楽しみです。
セバスチャン・ブエミ:
ここは素晴らしいコースで、近年のサーキットの中でも好きなコースのひとつです。私自身は高速コーナーが好きで、全体的に流れるようなレイアウトのこのコースは運転していてとても楽しいサーキットです。
良い思い出もあります。デビュー3戦目だったF1でポイントを獲得出来ましたし、2014年にはWECでアンソニーと共に勝利し、タイトル獲得への足がかりを築きました。中国のファンの皆様は急速にモータースポーツへの知識を深めており、WECの魅力を感じて頂くにはとても良い機会だと思っています。
小林可夢偉:
前戦富士でWEC初優勝を挙げることが出来たのは素晴らしい経験で、早く次のレースをしたい気持ちです。上海でも再び力強いレースが出来ることを願っています。今年、私にとっては全てのサーキットがLMP1-H車両で初めて走るコースになりますが、ここは何度か走った経験があるので良く知っています。
TS050 HYBRIDでこのコースを走るのがとても楽しみで、必ず上位争いに絡む走りを約束します。そして、ドライバーズ選手権のタイトル争いのためにも可能な限り多くのポイントを獲得したいと思っています。
ステファン・サラザン:
上海は特徴があるたくさんのコーナーを持つ難しいコースです。特に最初のセクターが最難関です。しかし、それだけにドライバーにとっては挑戦し甲斐があり、私はこのコースを走るのが大好きです。
昨年もドライコンディションのもとで良いペースでレースを戦うことができましたので、今年のTS050 HYBRIDでは力強いレースをすることをお約束し、必ず良い結果に繋がるものと信じています。前戦富士での勝利の後、タイトル争いでも更に上位との差を詰めることができました。上海でまた好結果を目指して戦うことを本当に楽しみにしています。
マイク・コンウェイ:
上海は幾つかの高速セクションのある素晴らしいコースです。今シーズンも残り2戦となり、ドライバーズタイトルを争っている我々にとって今週末はとても重要になります。ランキング首位のポルシェ#2号車を捕まえるのは簡単ではありませんが、シーズンの最後まで諦めることなく戦い続けます。そのためには、残りの上海とバーレーン戦でも表彰台を争い、出来る限りの好結果を残すことです。
TOYOTA GAZOO Racingの上海6時間レースでの戦績
2012年 #7:予選1番手、決勝1位
2013年 #7:予選1番手、決勝2位 #8:予選3番手、決勝リタイア
2014年 #7:予選4番手、決勝2位 #8:予選2番手、決勝1位
2015年 #1:予選5番手、決勝6位 #2:予選6番手、決勝5位