メルセデスF1チームのルイス・ハミルトンは、F1の規則における“極めてグレーな”部分を明確化し、ドライバーがそれをうまく利用することがないようにすべきだと主張した。
FIAは規則のグレーゾーンの明確化に乗り出し、アメリカGPの週末に、ディフェンス時のドライビングとブルーフラッグについての規則を改訂した。
F1は規則でがんじがらめになり、ドライバーやファンにとって分かりにくいものになろうとしていると思うかと尋ねられたハミルトンは、現在のルールには不確かなところが存在し、厳密に適用する必要があると示唆した。
「ルールが問題だとは思っていない。ただ極めてグレーな部分があることが問題だ」日本GPのスタートにおける出来事を引き合いに出してハミルトンは語った。
「僕たちはあのレースのスタートについて協議した。ルールによれば常にマシンはグリッドスポットの中に留めなくてはいけない。マシンの半分が白線の外で半分が中という状態ではいけない」
「でも(日本GPでは)僕たちがスタートした側(偶数列)には水たまりがあって、(4番手スタートでハミルトンの後ろにいた)ダニエル・リカルドは片側のホイールを白線の外に出し、もう片側を白線の中に入れていた」
「これは明確にする必要がある。もしこれが許されて常識的になってしまえば誰もがするだろう。そうしたらグリッド上のマシンはみなバラバラの位置からスタートすることになる」
「あれはルールにはなかったよ。もし(そうしていいと)知っていたら僕も同じようにマシンを止めた。彼ら(FIA)に尋ねたけど、彼らはノーと言っていた」
「もし(ルールに)一貫性がないなら、うまく利用する人もいるだろう。そしてペナルティを受ける人もいれば受けない人も出てくる」
「明確で、一貫性のある指示が必要なんだ」
FIAは最近、一貫性がないとの批判を受けてダブルイエローフラッグに関するルールを改めた。
それまでドライバーたちは、ダブルイエローが掲示された際に明確にアクセルを緩めることを求められていたが、改訂後はその周回を断念することが強いられる。
「あれは全然明確じゃなかった。だから何の罰も受けない人もいれば、ペナルティを受ける人もいた」
「いつでも同じようにするべきだよ。明確になれば、やりやすくなる。うまく利用しようとはしなくなるだろう」
「イエローフラッグを見つけたらアクセルを緩めるし、それがダブルイエローだったらラップを断念する」
「これまでは危険なコーナーで加速して速く抜けたり、アクセルを緩めなかったりということがあったんだ」