9月に開催されたパリショーでラウンチされた、アウディのTCRシリーズ向け新ツーリングカー『RS3 LMS』が、10月22日に行われたVLNニュルブルクリンク耐久シリーズの最終戦で、早くも実戦デビューを飾った。
アウディスポーツのカスタマーディビジョンが製作した新型RS3 LMSは、元WTCCドライバーのジョルディ・ジェネ/ケビン・ヴァン・デ・リンデ組とアウディスポーツ契約ドライバーでDTMにも参戦経験のある女性ドライバー、ラヘル・フレイ/クリストファー・ハース組の2台がSPXクラスにエントリーした。
RS3 LMSはフェニックス・レーシングのオペレーションにより、デビュー戦ながらノートラブルで走りきり、エントリー台数140台のなかでクラス優勝を挙げたマンタイレーシングのポルシェ・ケイマンGT4と同一周回となる総合17位、22位で完走。TCRツーリングカーとしてすでに一線級のパフォーマンスと信頼性を備えていることを証明してみせた。
アウディスポーツのカスタマー・レーシング部門の代表を務めるクリス・ラインケは「今回のテスト参戦では、リザルトは二次的なもので、重要度はそれほど高くない」とコメントした。
「それよりもはるかに重要なポイントとして、2台のニューマシンがなんの技術的問題も抱えずにレースを完走し、我々のドライバーがこの難しいコンディションに際しても終始マシンの中で快適なドライブを続けることができた、ということが大事なんだ」
「このノルドシュライフェでのテストランを成功裏に終えられたことは、今後の『RS3 LMS』のマシン開発と製造においてのマイルストーンとなる。マシンのデリバリーは、遅くとも年内いっぱいには始められると思うよ」
この新たなTCRツーリングカーは、今回のVLN最終戦デビューに先んじて、イタリア国内のバレルンガやアドリアで数日間のテストプログラムを敢行。短いマイレージながら、すでに高い信頼性を備えているのは間違いなく、来季のTCRインターナショナルをはじめとしたシリーズに、複数台のエントリーが見込まれている。