乃木坂46からの卒業と芸能界引退を発表した橋本奈々未さんが、10月30日深夜の「乃木坂工事中」(テレビ東京)で司会を勤めるバナナマンの2人に、心境を明かすシーンが放送された。
◆アイドルになった目的はお金だった
橋本さんがアイドルになったきっかけは、家計の事情からの「お金」が目的だったという。
「元々入ったのが本当にお金だった。めっちゃ貧乏で、水道止まる、ガス止まる、みたいな。私は一人目だったから、学校とか行かせてもらったので、弟まで回るのか、弟、男の子だったので、何とかしなきゃって思って、この年齢で模索しているところでこの道があった」
コメントからは、若くして家計に苦労してきた様子と、何とか自分が支えようという気持ちでアイドルになることを決意したことがうかがえる。そして橋本さんと、弟さんの努力の末、無事、弟の大学入学が叶い、学費が免除になる頑張りまで見せたという。
橋本さんは、「自分が表に立っていうよりも、誰かをサポートする方が合っていると思った」とコメントしており、表舞台よりも裏方として誰かを支える方が性に合っていると考えていたようだ。そして、その頃に母親から「無理しないで、好きなことをしてください」と手紙をもらったことが、決意の背中を押したことを告白した。
◆「テレビにいっぱい出てるからお金持ち」ではない
芸能界はバブリーな世界という印象もあるが、実際そうなのだろうか。
タレントの小島よしおさんが「おしゃれイズム」(日本テレビ)でこれまでの最高月収を明かしたことが話題になっているが、その額はなんと1300万円だとか。
これだけ聞くと「テレビに出れば出るほど、すごいもらえるんだな」と思ってしまいがちだが、公認会計士の山田真哉さんは、芸能人や作家のお金事情をテーマにした小説『あいるさん、これは経費ですか?』(KADOKAWA刊)についてのインタビューの際に、芸能界のギャラ事情について次のように語っていた。
山田: 一般的なビジネスマンの感覚から見れば、だいぶ特殊だと思いますよ。まず貧富の差がものすごく激しい。同じ会社で働いていても、正社員ならば給料の差があっても2~3倍くらいですよね。でも、芸能界は同じ番組に出ていたとしても、100倍くらい年収が違うこともあるんです。それが普通と考えると、特殊ですよね。
また、テレビにいっぱい出ているからお金持ちかというと、実はそうでもない。頑張っていっぱいテレビ番組に出ても貧しい人はいます。
(新刊JP『bestseller's interview 第66回 山田 真哉さん』より)
「頑張っても貧しい人はたくさんいる」という指摘は衝撃的だ。その裏には事務所とのギャラ配分などさまざまな事情があるようだが、それでも努力を積み重ねなければ勝ち残ることはできない世界だ。
そう考えると、「お金のために」芸能界に入り、有言実行してみせた橋本さんの凄さが際立つのではないか。
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橋本奈々未さんがセンターを務める、『サヨナラの意味』は、11月9日発売。アイドルという方法で目的を叶えた橋本さんに最後まで注目したい。
(新刊JP編集部)