2016 SUPER FORMULA
P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第7戦 鈴鹿サーキット
◆10月29日 (土) 予選
第1レース #1 石浦宏明 1位 / #2 国本雄資 2位
第2レース #1 石浦宏明 1位 / #2 国本雄資 3位
<予選> 天候:晴れ | コース状況:ドライ
2016年の全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦が鈴鹿サーキットで開催された。ドライバーとチームのダブルタイトル獲得を目指すP.MU/CERUMO・INGINGは、石浦宏明が第1レース・第2レースともにポールポジションを獲得。シリーズランキング2位の国本雄資はレース1で予選2位、レース2で3位となった。
いよいよ王座が決定する最終戦が幕を開けた。P.MU/CERUMO・INGINGの2人は、国本がランキング2位、石浦が5位と、ともにチャンピオン獲得の可能性を大きく残してこの最終戦に挑む。専有走行が行われた金曜日はあいにくの雨模様となったが、土曜日の朝には秋晴れの空が広がった。気温22℃、路面温度23℃と少し涼しさを感じるなか、午前9時10分からフリー走行がスタート。路面には濡れた部分もところどころ残っていたが、各車はドライタイヤを装着してコースイン。セッション序盤、国本が早々に1分38秒台の好タイムをマークしタイミングモニターの上位につけると、最後の予選シミュレーションでは石浦がラストアタックでトップタイムを奪取。「アタックしたタイヤの状態がそれぞれのドライバーで違うと思うので、予選でも同じ結果になるとは限らない」と慎重なコメントを残すものの、上々の滑り出しとなった。
2レース制となる今大会は予選方式も通常と異なり、Q1で全車のレース1スターティンググリッドが決定する。4セットが支給される新品タイヤのうち、石浦と国本はともに2セットをこのQ1に投入。1セット目のタイヤで1分38秒438の暫定トップタイムをマークした石浦は、2度目のタイムアタックで1分37秒453にベストタイムを更新。唯一1分37秒台の前半にタイムを乗せ、堂々のポールポジションを獲得した。国本は1度目のアタックでは1分39秒台と若干の後れを取ったが、2度目のアタックで1分37秒801と1秒以上もタイムを削ることに成功。2位につけ、チームとして初めてのフロントロー独占を果たした。
Q2では国本が石浦を上回り、2台が逆転した形でトップ2を占めQ3進出。レース2のグリッドが決定するQ3は、それまでの2セッション以上に熾烈を極めた。コースインラップから1周をウォームアップにあて、計測3周目にアタック開始。2人そろって全体のベストタイムを表す赤い表示を重ねていき、まずは国本がコントロールラインを通過し1分37秒224をマークしてトップに立つ。続く石浦はコース後半で大きなタイム差をつけ、1分37秒027をマークして国本を上回った。最後にアタックしたストフェル・バンドーンがいったんは石浦のペースを上回る速さを見せたが、1000分の5秒を競り勝ち石浦はトップを死守。2戦ともにポールポジションを手に入れた石浦は、シリーズランキングで2ポイントを加算し暫定4位に浮上した。国本はバンドーンにかわされたものの3位となり、2戦ともに上位グリッドからスタートできることになった。
ドライバー/#1 石浦 宏明
「今日はまず予選で2ポイントを獲ることを目標にしていたので、それを達成できてホッとしています。これほど順調にいくと思っていなかったし、チャンピオンシップに関しても厳しい状況でしたから、急にチャンスが来て驚いてもいますね。前戦のSUGOが悪いレースになってしまい、そこからチーム一丸となって鈴鹿に向けて準備をしてきたので、チームの力で2台揃っていい勝負ができているのは良いことだと感じています。追われる立場で厳しいレースになった昨年の最終戦に比べれば気持ちは楽な状態で明日のレースに臨めます。このいい流れを維持していきたいです」
ドライバー/#2 国本 雄資
「今日の走りだしから調子が良かったのですが、練習走行の最後のアタックでは思ったようなバランスで走れず、いいタイムが出せませんでした。ただ、そこから予選に向けてチームと話し合ったり、石浦選手のデータを共有したりしてセッティングを合わせていったら、予選の3セッションともにいいクルマのバランスで走れました。自分の中でもベストな走りができたと思っていますが、石浦選手はそれ以上の速さでしたね。チャンピオンを獲れるように、しっかり準備を整えて2レースに臨みたいと思います」
監督/立川 祐路
「2台揃って、まずは予選でいい結果を出すことができました。2台とも調子がいいというのは、クルマのベースができている証拠。それはチームの頑張りだと思うので、結果に表れてよかったです。ランキングトップの関口選手が後方グリッドになったことで、僕たちが少し優位な状況になりました。チャンピオン獲得に向けて追い風が吹いてきた気がします。明日は2人に正々堂々と気持ち良く戦ってもらって、どちらかがドライバーズタイトルを獲り、チームタイトルも獲れれば最高ですね」
総監督/浜島 裕英
「チームとして、非常にいい形で予選を終えることができました。国本はポールポジションこそ届きませんでしたが、フリー走行で7番手だったことを考えれば、クルマにしても国本自身の精神的な部分にしてもよく復調したと思います。明日は2人にいいバトルを見せてもらいたいですね。欲を言えば、目標はチームタイトルを獲り、ドライバーズランキングでも1-2を獲ること。その可能性は十分あると思っています」