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「自称FBI」に捧げた泥沼の2年間、私を「究極のダメ男」と決別させた友人の言葉

2016年10月30日 07:12  弁護士ドットコム

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暴言を吐かれても、金をだまし取られても別れないーー。第3者からは「さっさと別れればいいのに」と思うような異性との交際を続ける女性がいます。しかし、そんな交際は、時に、取り返しのつかない事態を招きます。


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DV・虚言癖・金にだらしない。そんな三拍子揃った「究極のダメ男」にハマったある女性ライターは、自身の経験を「共依存に陥っていたのだと思う」と振り返ります。その彼女をダメ男と決別させたのは、ある友人の言葉でした。


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だめんずライター、たかだまなみ(28)です。まったく自慢になりませんが、ダメ男育成スキル、自信があります! 交際が始まると男たちは、私を金づるにし、嘘をつき、暴力をふるい始める・・・。しかし、ここで終わりたくありません。ちゃんとした大人になりたい!そんな決意のもと、過去と決別するための禊(みそぎ)として、私のとびきりのダメ男体験を振り返ります。


● 出会ってはいけない「ダメ男」との出会い


出会ってはいけない人との出会い……、それは今から4年前のこと。


私史上最悪のその男は、自宅で開いたホームパーティーにいました。3ヵ国語を話し、博識で頭の回転も早い、私の好きなタイプです。当時私は25歳の正社員。彼は未成年で自称「学生」でした。


自慢になりませんが、私には第6感とも言うべき謎の「ダメ男センサー」(精度100パーセント)があります。そして相手は相手で、「ダメ男を許す女センサー」で、瞬間的に私を選ぶのです。彼と付き合うのに時間はかかりませんでした。


彼はハーフでラテン気質、いつも私を褒めまくって肯定してくれました。夜には自作のポエムを読み、愛を語り、「君の瞳は美しい」と、真剣にささやいてくれます。自信のない私を全部肯定してくれることに涙は滝レベルで、最初は本当に幸せでした。


しかし、交際から1ヵ月たった頃でした。家賃や学費として、50万円を貸してほしいと彼から頼まれたのです。金づると思われた事に切なくなりました。なんとかしてあげたい気持ちと、こんなの良くないという思いに揺れた末、結局、一旦彼とお別れすると決めました。まともですよね、ここまでは。


ところが、別れを決意した瞬間から、私のコンプレックスと強い依存心がむくむくと。自己肯定感の低さ、極度の寂しがり、何より「ダメな人を救ってあげたい精神」がビックバンを起こして、別れ話は撤回。お金を貸し、彼に尽くそうと腹をくくりました。


「自己犠牲」、「誰かの役に立つ」。私の大好きな言葉です。こうして泥沼のメンヘラ劇場が幕を開けました。


● 「俺、FBIのエージェントなんだ」


仕切り直しの交際から半年が経った頃のことでした。彼が「オレ、実はFBIのエージェントなんだよね」と衝撃の告白をしたのです。


「君の身に危険が迫っている。アメリカ大使館で保護するから眠ってもらう」「今日あの人とこんなことしてただろう」など、不気味な言動をするように。さらに、「アメリカ大使館から送られたきた任務が書かれた書類」やら、「安倍首相からの任命書」などを誇らしげに見せてきました。


もちろん、彼の言葉は信用してはいません。嘘をつくことを怒り、詰め寄りもしました。しかし、虚言癖があるので、通常の理論が成立しません。噛み合わない議論に疲れて果て、私はどんどん正気を失っていきました。


いつの間にか、私の自宅に転がってきたのに、家賃も入れず、私の通帳から勝手にお金を引き出し、私のクレジットカードを使っていたことも。ある日、新宿駅で喧嘩になり、殴られていたところを、通りすがりの人に止めてもらったこともあります。


なぜ、そんな状態でも別れないのか? 


今なら、そう思えます。しかし当時は「私のやり方が悪いからこんなことになってしまうんだ」と自分を責め続け、精神がおかしくなっていました。5分ごとに言い訳を変え、私の話をさえぎって一方的に話し続ける彼の態度に、私の精神はどんどんすり減り、そして崩壊していったのです。


●「自分の幸せをまず考えて」と友人


気がつけば、交際を始めて2年近くになっていました。


心身ともに疲れ果て、正常な判断ができなくなっている私を見かねて、友人たちは「他人のために力を尽くすことは素晴らしいけど、自分の幸せをまず考えてあげなきゃいけないんじゃない?」と諭してくれました。


そればかりでなく、彼との縁切りに尽力してくれたのです。直接、彼の愚行を問い詰め、私と一緒に住んでいた部屋から即刻出て行くように怒鳴ってくれました。すると、彼はあっさりと退去に応じ、あれだけ濃密だった2年間は、いとも簡単に終わりを迎えたのです。


彼の逮捕を知ったのは、それから1年後でした。友人から連絡をもらいニュースを見ると、見覚えのある名前が・・・。そして、アナウンサーは無機質に「詐欺の容疑で逮捕された」と読み上げていました。


これが、私史上最悪のだめんず物語です。


この経験から立ち直るまで、1年半かかりました。でも、友達が彼の逮捕にガッツポーズをして喜んでくれたり、折にふれ「あの男と別れてよかった」と励まされたりするうちに、このままではいけないのだと気付きました。


私のような「だめんず」は、問題のある人を世話することで、相手から必要とされたいという気持ちを満たす「共依存」に陥っているのだと指摘する人もいました。実際にその通りなのだと思います。


私のような者が生きて行くためには、家族や友人の客観的な意見も取り入れ、理性的な結婚をすることが生存戦略だと気づきました。そこで自身を株式会社に見立て、正社員(お婿さん)を募集する「株式会社たかだまなみ」(http://manadum.com)を2016年6月に設立。ウェブでお婿さんを積極採用中です。