広告はその時代のトレンドや空気感が表れると言われるが、10月26日にとあるツイッターユーザーの男性が投稿した、電車内の広告の風邪薬のコピーが話題になっている。
「『風邪でも、絶対に休めない私』のために薬を開発するより『風邪でも、絶対に休めない社会』をどうにかしてほしい」
「日本からブラック企業が消える日は遠いな」
「風邪でも、絶対に休めない あなたへ」。これは、エスエス製薬が発売する総合感冒薬「エスタックイブファインEX」の広告コピーだ。お笑いタレントの有吉弘行さんがCMに出演している。
男性のツイートは約1万2800件リツイートされ、ツイッターで話題になった。
「日本からブラック企業が消える日は遠いなと思った。私にはその広告、製薬会社がブラック促進してるようにしか見えないんですが」
「『風邪でも絶対に休めない』労働者が当然のようにいるし、それがおかしいことではない、という価値観を再生産していてかなり嫌な気分になった」
ほかにも、「体温38度あっても学校にも会社にも行ってた。学校にも職場にもなかなか云えない雰囲気が」と、自身の経験を書き込む人も。風邪を引いて体調が悪いときは、薬を飲んで無理に出勤するのではなく、しっかりと休むことが大切だが、休みたくても休めない人は多いようだ。
「休んだ人がいるだけで回らないような仕事の仕方をしている会社に問題がある」
日本では風邪を引いたくらいで会社を休めない、という風潮が依然として根強い。ネット上を見ても、「熱があるので欠勤の連絡を入れたら上司から、体温計の写メと診断書を持ってこいと言われた」「インフルエンザにかかっているのに出勤を命じられた」「高熱で点滴を受けているところに上司が来て会社に連れていかれた」という類の書き込みが散見される。
中には、
「先ずはぶっ倒れよう。眠ろう、休もう、医者に行こう。許可を取るのは二の次。電話がかかって来たら『起きられない』『息ができない』『胸が痛い』これでオケ」
と書く人がいたが、こうまでしないと休めない、というのは異常だろう。また、「1人1日2日欠けたくらいで、回らないような仕事の仕方をしている会社に問題があるんじゃ?」という人も。人は機械ではないので、体調を崩すこともある。会社を回す立場にある人は、欠員が生じても業務に支障をきたさない仕組みを作ることが大切だろう。
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