フォース・インディアの副チーム代表、ボブ・ファーンリーによれば、チームはルノーへ移籍するニコ・ヒュルケンベルグの後任に、ペイドライバーを迎える必要には迫られていないという。
彼らはつい最近まで、今年と同じラインナップで来季の選手権に臨むと見られていたが、ヒュルケンベルグの離脱によって突然空席ができることになった。何人かの後任候補の中では、メルセデスのジュニアドライバーで、今季後半戦からマノーをドライブしているエステバン・オコンが最も有力と言われている。
ただ、オコンにはヒュルケンベルグの僚友として、ルノーに乗るとの見方も根強い。彼はマノーでレースに出る機会が訪れるまでは、ルノーのリザーブドライバーを務めていた。
オコンがルノーに戻った場合、今年のレースドライバーであるジョリオン・パーマーとケビン・マグヌッセンは、他のチームでシートを探さざるをえず、当然フォース・インディアの候補にもなりうるだろう。また、来季の契約がまだ決まっていないザウバーのコンビ、フェリペ・ナッセとマーカス・エリクソンにも、この空席は魅力的なはずで、特にエリクソンは「(フォース・インディアへ行く可能性に)目を向けないのは愚かなことだ」と語っている。
ファーンリーも、ここにあげた「5人の全員」が選考の対象になると述べたが、最終的にはビジェイ・マリヤの判断で、誰を乗せるかが決まるという。
「結局のところ、それを決めるのはビジェイだ。私たちが(メキシコGPを終えて)いったんイギリスに帰り、彼を含めて相談をするまでは、ドライバー候補について検討や評価をすることもない。最終的には彼の判断で決まるのだから、私たちがあれこれ推測しても何の意味もない」
しかし、ファーンリーは、チームの財政状況は健全であり、大きなスポンサーを持ち込めるドライバーを迎え入れる必要には迫られていないと明言した。
「すごい才能があって、スポンサーも付いてくるというのなら、それを断る理由はないよ。だが、ニコは現金を一切持ち込んでいなかったのだから、持参金のないドライバーを選んだとしても、来季の私たちのプランは今年とほとんど変わらないだろう」
「現時点では、まったく白紙の状態だ。ビジェイがそれぞれの実力を評価した上で決めることになる」
今週末のメキシコを含めてシーズンも残り3戦となり、フォース・インディアはコンストラクターズ選手権4位の座を争うライバル、ウイリアムズを8ポイントをリードして大詰めの戦いに臨む。また、メキシコGPは、セルジオ・ペレスのホームレースでもある。
「クルマはとても良く機能しているし、ドライバーたちもその能力をうまく引き出してきた。残り3レースが開催されるサーキットで、これまでと同じような戦いができないと考える理由はないよ」と、ファーンリーは言う。
「マシンとサーキットの相性から言えば、おそらくメキシコではウイリアムズの方がわずかに有利だろう。だが、チェコ(ペレスの愛称)を後押しする『メキシコ効果』のパワーも、侮るべきではないと思うよ」