共働きでも家事負担は妻の方が多いという日本の現状ですが、家事をちゃんと受け持っていると自負する男性もいます。ところが、妻からみた実態はそうではないようです。
10月24日、ライオンのプレスリリースで、共働き世帯を対象にした「家事分担に関する意識・実態調査」の結果が発表されました。「夫の家事負担割合」は、夫の自己申告では34%でしたが妻は21%にとどまり、夫婦の認識にはズレがあることが分かりました。(文:篠原みつき)
食べ終えた食器は運んでも生ごみ処理は9割妻
調査は4月に全国の20~50歳代の共働き夫婦1000組、計2000人を対象にからネットで実施。「夫が日常的にやっている家事」を夫と妻それぞれに訊くと、答えは下記の通りでした。
1位、ゴミだし(夫自己申告60%・妻の認識62%)
2位、お風呂掃除(夫自己申告54%・妻の認識49%)
3位、食事の後片付け(夫自己申告52%・妻の認識37%)
次いで買い物・部屋の掃除・洗濯・トイレ掃除・料理です。ゴミだし以外は夫自身の認識よりも妻の認め度合いが低くなっています。
「食事の後片付け」は特に認識のギャップが大きく、問題はやり方です。夫は食べ終えた食器を運ぶ・食器を水につける、まではやる人が多いのですが、食器洗いは44%まで。生ごみの処理や排水溝、シンク周りの清掃は90%近い割合で妻がやっています。
これは筆者も夫のやり方を思い出して納得でした。たまに食器洗いをしても生ごみの処理等はしない、どこか拭いても雑巾は洗わないなど、何かしら残念なのです。
また、家事を6割以上やっていると自己申告する夫が21.3%いたのに対し、それを認めている妻はたった4.2%でした。
夫婦円満と家事のシェア率には相関がある
そうした残念さが、認識のギャップに表れているのでしょう。配偶者の家事に不満があったときの対処法は、33%の妻が「自分でやり直す」、30%が「あきらめてそのままにしておく」で、「相手にやり直してもらう」人は28%、「不満を伝える」のは6%でした。
対して夫は42%の人が「あきらめてそのままにしておく」で、不満はありつつもガマンするのは夫の方が多いようですが、「自分でやり直す」人は17%でした。
夫からすれば、仕事から疲れて帰宅し、くつろぎたい時間帯にそこまでやってられるか!という反論があるかと思いますが、それは妻も同じです。家事に休日はなく毎日キリが無い地味な作業ですが、ため込むと却って大変なことになります。
なお、調査では「生まれ変わっても同じ相手と結婚したいか」も聞いています。Yesと答えた妻は50%、夫は60%でしたが、「夫の家事分担割合が2割以上」という妻は、同じ相手と結婚したい割合が高い(妻63%・夫73%)ことが分かっています。
筆者の勝手な持論、「旦那さんが家事をする夫婦はうまくいく」が裏付けられた気持ちです。自分だけでなく、よそのご家庭を見ていてもしばしば感じることです。旦那さんが家事をまったくしない家は、夫婦関係がギスギスしているか、妻が鬱ぎみのことが多いです。
男性のほうが長時間労働で家におらず、物理的に不可能という問題は依然としてありますが、100%ではなく、調査では2割を超える位でいいのです。結局、思いやりのある協力関係を築けているかどうかなのだと感じます。