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ハミルトン、タイトル諦めず「残り3戦、100%信頼性あるマシンで走れればチャンスはある」

2016年10月27日 08:21  AUTOSPORT web

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2016年F1第18戦アメリカGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)
メルセデスF1のルイス・ハミルトンは、シーズンが終わるまで完全に信頼性が高いマシンで戦うことができれば「本当にありがたい救いになる」として、それがタイトル獲得のチャンスにつながると考えている。

 ハミルトンは、今季何度もパワーユニットのトラブルに見舞われてきた。一番最近ではマレーシアGPで首位走行中にストップ。中国GPではQ1をノータイムで終えて最後尾スタートを強いられ、ロシアでも同様のトラブルで予選を10位で終えている。ヨーロッパGPでは予選でミスを犯して10位に終わった後、決勝ではエンジンモードの問題で上位に浮上することができなかった。

 これらの問題に伴うパワーユニットの交換により、夏休み明けのベルギーGPではグリッド降格ペナルティを受け21位スタートを強いられた。しかしこの間、チームメイトであり現在チャンピオンシップをリードしているニコ・ロズベルグのマシンにはほとんどトラブルが発生していない。


 ハミルトンに起きていることを大数の法則に照らせば、ロズベルグも残り3戦で何らかのトラブルに見舞われるかもしれないが、ハミルトンは「これまでのところ彼のマシンは100パーセントの信頼性を示している」と語った。

「でも、シーズン中に100%の信頼性があるマシンを得られるときもある」

「ニコの場合どうだろう? 時が経たないとわからないよ。僕には何とも言えない」

「とにかく自分のマシンのことだけを考えなければならない。最後の3戦は100%の信頼性を発揮してほしい。そうなれば本当にありがたい救いになるだろう」

「もしそうなったらそのチャンスを生かすよう頑張るよ」


 ハミルトンは前戦アメリカGPでF1キャリアで50回目の優勝を果たした。これでロズベルグとのポイント差を26にまで縮めたが、仮に残り全戦で彼が優勝してもロズベルグがすべてのレースで2位を収めた場合、タイトルはチームメイトのものになる。

 しかもアメリカでの勝利にも問題がなかったわけではない。フリー走行時のデータに異常が見つかったため、メルセデス代表のトト・ウォルフ曰く「慎重を期す」ための措置として、金曜日の夜に所定の作業時間外を使って燃料システムの交換を行ったのだ。

 決勝で56周を走り切ったものの、ハミルトンはマレーシアで起きたトラブルの再発を恐れてペースを緩めたと語った。

「自分のキャリアの中で最も長く感じたレースだった。とにかく完走することだけを考えていたよ」とハミルトンは言った。

「回転数、回転域、ギヤシフトを通して、エンジンのバイブレーションに神経を集中していた」

「ギヤボックスをより長く持たせるために、周回中はギヤシフトの回数を減らそうとした」

「パワーユニットもそうだ。直線ではスロットルを開け過ぎないよう、100%ではなく90%に抑えていた」

「理由はどうあれ僕のマシンの方が問題が起きやすいから、完走できるようマシンを労わるため、できることはすべてやったんだ」