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EXILE THE SECONDと三代目JSB、『ドリフェス』で見せたパフォーマンスの違い

2016年10月27日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

EXILE THE SECOND

 2016年10月22・23・24日に開催され、大盛況のうちに幕を下ろした『テレビ朝日ドリームフェスティバル2016』。その最終日を飾ったのが、EXILE THE SECONDと三代目J Soul Brothersである。以前、EXILE THE SECONDと三代目J Soul Brothersのあり方やアピールポイントに言及したが、今回は『テレビ朝日ドリームフェスティバル2016』を実際に見て感じた、2組のパフォーマンスの違いについて考えてみたい。


(関連:EXILE TRIBEの人気支えるSECONDと三代目JSB、2グループのあり方の違いは?


■EXILE THE SECOND


 黒い衣装を身にまとって登場した6人は、最新シングル曲「WILD WILD WILD」を皮切りに力強いダンスを繰り広げていた。6人全員でダンスをする場面も多く、男らしいパフォーマンスが印象的であった。「One Time One Life」の間奏では、TETSUYA・AKIRA・橘ケンチ・黒木啓司の順でソロダンスも披露。TETSUYAはアクロバット、AKIRAは濃厚なダンス、橘ケンチはセクシーさ、黒木啓司はクールさと、力強さの中にも各々の個性がはっきり見て取れる。


 もちろんボーカル陣も絶好調で、HIPHOPナンバー、ロックナンバーはもちろん「Missing You」や「Let it go」などのバラードやミディアムナンバーも見事に歌いこなしていた。NESMITHのハスキーな歌声とSHOKICHIの高音が耳に心地よい。ハモリも完璧である。EXILE THE SECONDのパフォーマンス力はかなり高い。一人ひとりが多くの経験を踏んでいるがゆえに、余裕と「自分たちも楽しんでやろう」という遊び心が見える。例えば、観客に向けて思いっきり手を振ったり、クラップをして煽ったり、かと思えば、メンバー同士顔を見合わせて笑いあったりしているのだ。そんな彼らを見ていると、自ずとボルテージが上がってしまう。EXILE THE SECONDは、ある意味強制的に観客を盛り上げるチカラに長けていると言えよう。玄人好みの曲とパフォーマンスをしながらも、どんな客層でも盛り上げてしまう彼らには、プロとしての高いスキルと意識を誰もが感じるはずだ。


■三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE


 転換が終わり暗転すると、会場が揺れるほどの歓声が上がった。カーキの衣装を着た7人が姿を現すと、その歓声はさらに大きくなる。三代目J Soul Brothersの代表曲とも言える「R.Y.U.S.E.I.」からライブがスタートし、「Feel So Alive」、「Unfair World」、「Summer Madness」、「J.S.B DREAM」などのヒット曲の連発に、会場は大いに盛り上がりを見せた。そんな彼らのパフォーマンスは、各々の“らしさ”が強く表れている。そして、その個性は一見するとバラバラに見えるが、それが逆に「三代目J Soul Brothers」というパッケージを成立させているのだ。例えば、NAOTOと小林直己はかなりの身長差があり、同じダンスを踊っても見え方が全く違う。また、岩田剛典はプレーンで自然体なダンスを得意とするが、ELLYや山下健二郎はどこかそれぞれのキャラクターが反映された特徴的なダンスをする。 ボーカルの歌い方もそうだ。登坂広臣はクールな表情で歌うのに対し、今市隆二は常に笑顔を絶やさず歌っている。しかし、それらが集まった時に唯一無二の“三代目J Soul Brothers”が出来上がるのではないだろうか。


 ライブでも、それが顕著だったシーンがある。EXILE THE SECONDが「Missing You」を歌ったときはボーカルの2人のみがステージに立ち、「歌を聴かせる時間」にしていた。しかし、三代目J Soul Brothersはバラードナンバーである「Unfair World」の際もメンバー全員がステージに立ち、三代目J Soul Brothersとしてのパフォーマンスを貫いたのである。他にも、ステージの左側ではNAOTOや岩田がクールに踊っているが、右側ではELLYと山下が仲よさげに肩を組んで観客を煽っている場面も。個性の強いメンバーだからこそ見える、“三代目J Soul Brothersらしさ”がしっかりと伝わってくるパフォーマンスであった。


 間もなくライブツアーがスタートするEXILE THE SECONDと三代目J Soul Brothers。各々の人気を示すかのように、『テレビ朝日ドリームフェスティバル2016』では彼ららしさが詰まったパフォーマンスを見せてくれた。このように、画一的なグループではなくそれぞれの強みを活かすことができるからこそ、EXILE TRIBEは拡大し続けているのかもしれないと感じたライブであった。(高橋梓)