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アウディのWEC撤退に対しACOが声明を発表「非常に残念に思う」

2016年10月27日 05:01  AUTOSPORT web

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2016年のル・マン24時間で公開車検に臨むアウディスポーツ・チーム・ヨースト
10月26日、これまでル・マン24時間で13勝の成績を誇ってきたアウディが、2016年限りでWEC世界耐久選手権およびル・マン24時間から撤退すると発表したことをうけて、ル・マン24時間を運営するACOフランス西部自動車クラブは声明を発表した。

 1999年の参戦以来、アウディはル・マンで勝利を飾ることにより数多くの新技術をアピールしており、サルト・サーキットそばにアウディの施設が設けられるなど、非常に関係が深い。一方でル・マンにとってはサーキット中にアウディの看板が出されたり、セーフティカーやオフィシャルカーをアウディが担うなど、まさに“相思相愛”と言える間柄にあった。

 そんなアウディのスポーツカー耐久レースからの撤退発表をうけ、ACOは即日声明を発表した。ACO代表のピエール・フィヨン、WECのCEOを務めるジェラール・ヌーブのコメントが掲載されている。

 ピエール・フィヨンのコメントは下記のとおりだ。

「(現地時間の)今朝、アウディから出されたスポーツカー耐久レース撤退の決定をうけ、我々全員が感傷的になった。この決定に対する覚悟はできていたが、耐久レースの主役が新たな挑戦に向かうことに対し、非常に残念に思っている」

「1999年からのル・マン24時間での存在において、アウディは最も強力で、最も素晴らしい歴史のページを綴ってきた。特に最近はWECにおいてもだ。他の競争者たちとともに、アウディは世界的な耐久レースの広がりの真の貢献者だったと言える」

「マニュファクチャラーに対するコストカットは、ACOと、そして協力関係にあるFIAにとって最も重要な問題だ。さらに、両組織は来たる数年における方向を明確に定めている。将来のクルマに向けた新技術のためのベストなプラットフォームを提供する、革新の最前線にあるということだ」

「ハイブリッドテクノロジーと電気モーターは、すでに耐久レースにおける我々の日常となっている。新時代のエネルギーの要求における、水素電池に対するテクニカルレギュレーションの変更も進んでいる」

「我々は素晴らしい仕事を成し遂げてきたアウディスポーツとチーム・ヨーストに対し敬意を表する。特に、我々の友人であるヴォルフガング・ウルリッヒに対してだ」

「ひとつのドアが閉まるが、同時に他のメーカーの新たな発表とともに新しいドアが開く。耐久レースとモータースポーツを愛するファンの皆さんに、来週のWEC上海戦で、そして2017年のル・マン24時間でお会いしましょうと伝えたい」

 一方、ジェラール・ヌーブのコメントは下記のとおり。

「我々はWECの主役が去ることを残念に思いながらも、この決定を理解する。アウディは15年に渡って耐久レースに関与し、特にWECの最初の5年間をともに過ごしてくれた。今日、我々はアウディスポーツとチーム・ヨースト、ドライバー、エンジニア、メカニック、すべてのメンバーへの思いをともにする。彼らが2012年からWECでみせてくれたパフォーマンスに賞賛を送りたい」

「WECは現在32台、20チーム、そして4つのカテゴリーに6マニュファクチャラーが参戦している。次戦上海では、ポルシェとトヨタがLMP1タイトルを競い、フェラーリとアストンマーチンがGTEのタイトルを競う」

「ひとつのマニュファクチャラーが去るが、また別のマニュファクチャラーがやってくるだろう。これは選手権の流れなんだ」