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9週目でまさかの前週超え! 興収164億突破『君の名は。』、前人未到の10連覇を阻むのは?

2016年10月25日 16:21  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2016「君の名は。」製作委員会

 このところ毎週、1位の『君の名は。』についてはノラリクラリとスルーしてきて(そうしないと「週刊『君の名は。』現象」になってしまうので)、2位に初登場した作品について詳細な分析をおこなってきたが、久々に真正面から向き合うタイミングがやってきたようだ。


参考:『SCOOP!』初登場4位 歴史的ヒット作と同時期に公開されるデメリットとメリットについて


 というのも、これで9週連続1位となった『君の名は。』の先週土日2日間の動員は36万人、興収4億7600万円。なんとこの記録、先々週の動員34万7000人、興収4億6800万円という数字を上回っているのだ。ここにきて、まさかの再上昇。ちなみに9週連続1位というのは、興行通信社が全国動員ランキングを発表するようになってからは、『ハウルの動く城』(2004年11月公開/最終興収196億円)、『アバター』(2009年12月公開/最終興収156億円)と並ぶ歴代1位のタイ記録。つまり、もし今週末も1位になったら、『君の名は。』は10週連続1位の新記録達成ということになる。


 先週末2位に初登場した『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』の土日2日間の動員は9万9000人、興収は1億4100万円。つまり、今の時点でも『君の名は。』は2位以下にトリプルスコア以上の差をつけているだけあって、10週連続1位もカタいのではないかと思いきや、今週末に公開される新作は『デスノート Light up the NEW world』『インフェルノ』となかなかの強敵揃い。いずれもシリーズ作なので、予想する上で一足先に過去の数字を振り返ってみよう。


 まず、一応今作からは「リブート」となってはいるものの、『デスノート Light up the NEW world』の直接的な前作にあたるのは、前回の映画版の後編だった『デスノート the Last name』としても問題はないだろう。2006年11月に公開された同作の初週土日2日間の興収は実に7億6082万5310円。なんと先週末の『君の名は。』の興収をはるかに上回っている。もっとも、「これではデータが古すぎる」、あるいは「あの作品は異例の前編テレビ放送直後のブーストもあったはずだ」という意見もあるかもしれない。シリーズのスピンオフ作品として製作された『L change the WorLd』の数字も見てみたい。2008年2月に公開された同作の初週土日2日間の興収は約5億6500万円。これでも先週末の『君の名は。』の興収より1億円以上多い。10連覇を阻む最大の壁は、やはり『デスノート Light up the NEW world』と見ていいだろう。


 続いて、『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』に続く、ロン・ハワード監督、トム・ハンクス主演によるダン・ブラウン原作ロバート・ラングドン・シリーズの3作目となる『インフェルノ』。2009年5月に公開された前作『天使と悪魔』の初週土日2日間の興収は5億4744万8500円と、これまたかなりのヒットを記録していたことが判明。さらに驚いたのが、第1作の『ダ・ヴィンチ・コード』の数字。2006年5月に公開された同作は、初週土日2日間になんと興収12億8119万3100円というとんでもない数字を叩き出していた。とはいえ、当時は日本中が『ダ・ヴィンチ・コード』ブームに沸いていた時期。その3年後の次作の時点で半減以下になっていることを踏まえると、さらにそこから7年以上経っている現在、シリーズにそこまでパワーが残っているとは思えない。


 というわけで、今週末は前人未到の10連覇を目指す『君の名は。』と、スピンオフ作品から数えて8年ぶりに帰ってきた『デスノート Light up the NEW world』の頂上対決に注目したい。え、どっちが勝つかの予想ですか? 恥をかきたくないので、やめておきます。(宇野維正)