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F1アメリカGP 決勝トップ10ドライバーコメント

2016年10月25日 12:21  AUTOSPORT web

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アメリカGPポディウム ニコ・ロズベルグ、ルイス・ハミルトン、ダニエル・リカルド
2016年F1第18戦アメリカGP決勝トップ10に入ったドライバーたちがレースを振り返った。

■ メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
 キャリア50回目の優勝を今日飾ることができて喜んでいる。

 長い時間かかったけれど、何より重要なのは、レースウイークエンドを堅実に過ごすことができたことだ。今回のレースは常に順調だった。それでも最近信頼性のトラブルが何度か出ているだけに、チェッカーを受けた時には心からほっとした。
 
 スタートは100パーセント成功した。うまくいくと思っていたよ。アップダウンがあっただけに、とてもいい気分だった。スタートからレースをコントロールしていくことができた。

 今年もオースティンに来ることができてとてもうれしかった。ファンの反応は本当に素晴らしい。

 来週もこの調子を維持することを目指す。メキシコでチャンピオンシップを賭けた戦いに臨むのが待ちきれないよ。

 レースの間ずっと、クルマが最後まで持たないんじゃないかと心配していた。最後の最後までマレーシアと同じことが起き、同じ音が聞こえるんじゃないかと恐れていたんだ。だからラインを越えた時には感謝の気持ちでいっぱいだった。

■ メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 決勝=2位
 いいスタートを決めて、アウト側からルイス(・ハミルトン)をオーバーテイクしようと考えていたが、結局はダニエル・リカルドの方がターン1からの立ち上がりでいいラインを取ってそれをうまく利用することができた。

 その後、レッドブルをオーバーテイクするのは簡単ではなかった。でも戦略を変更し、それがうまくいった。

 ミディアムタイヤで走ったことでたくさんの選択肢が手に入った。バーチャル・セーフティカーが出動した時にはそれが役立った。ミディアムタイヤは強力な速さを発揮し、マシンの感触はとてもよかったので、レース終盤、ルイスとの差を縮めていったけれど、そのころにはもう遅かったね。

 今週末は彼の方がいい仕事をしたので、勝者にふさわしい。メキシコでまた戦うのを楽しみにしている。

(記者会見で語り)2位は悪くない。ダメージを最小限に抑えることができた。でもここで勝ちたかった。勝てればどんなによかっただろう。でも実現しなかった。今回は2位を受け入れるが、次のレースでまたチャンスがある。

(安全に行ったのかと聞かれ)それはない。最後まで全力でプッシュした。


■ レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=3位
 レースの序盤、スーパーソフトを履いていたことは助けになった。とはいえスタート自体は、メルセデス勢より圧倒的によかったという感じはしなかったね。

 ニコ(・ロズベルグ)がアウト側に行くのを見て、僕はイン側に行くことができた。ターン1をトップで抜けられたらうれしかったけど、2番手でも十分よかったよ。
  
 最初の2、3周はルイス(・ハミルトン)についていこうと頑張ったけど、彼のソフトタイヤの方がいい性能を発揮していた。2位には入れるかと思っていたのに、バーチャル・セーフティカー(VSC)が僕らに有利に働かなかった。

 でも心の底からがっかりしているという感じでもないんだ。ここで表彰台に立てて最高の気分だからね。このサーキットは大好きだし、決勝前の国歌斉唱もすごくよかった。うそなんかじゃなく、本当に鳥肌が立ったぐらいだ。表彰台も最高だった。

 今回もまたたくさんポイントを集めることができた。僕らは少なくともニコに対抗できるペースはあったから、それは心強いよ。この後の数日で、またできる限りの対策をしていく。
 
 マックス(・フェルスタッペン)とキミ(・ライコネン)は不運に見舞われて、(レッドブルとフェラーリの4台で)今日最後まで走り切ったのは僕とセブ(ベッテル)のふたりだけだった。

 フェラーリよりも少しだけ多くポイントが取れたから、よかったんじゃないかな。これからも努力し続けて、最後の数戦、また表彰台に上りたい。

 2位はつかめると思った。でもVSC(の際にロズベルグがピットストップを済ませたこと)によって、僕らはニコに対して10秒失った。

 ピットストップが終わったら、僕らは彼より5秒前にいたはずなんだ。終盤で彼に追いつかれたとしても、少なくとも戦うことはできたのに。

 VSCがなければ、上位争いがもっと面白くなったはずだ。

■ スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=4位
 全体的に今日は昨日よりはよかった。いいレースだったよ。

 スタートはそれほどよくもなかったけど、ターン1に向けて誰かからヒットされたことを考えれば、続けられたのはすごくラッキーだった。あれはニコ・ヒュルケンベルグだと思う。

 幸いどこも壊れていなくて、走り続けることができた。ペースはよく、タイヤを労わりながら、他のドライバーたちよりスティントを長くとって走ることができた。予想していたものと少し違うレースになった。

 今日はマックス(・フェルスタッペン)から(リタイアという)プレゼントをもらったんだ。でも残念ながらキミ(・ライコネン)には問題が起きてリタイアしなければならなかった。

 2台揃って入賞できれば、チームにとっていいパフォーマンスといえたんだけどね。

(Crash.netに語り)レースの大部分でレッドブルに匹敵する速さがあった。何周かは彼らの方が少し速かったけどね。


■ マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 決勝=5位
 いい一日だった。面白かったよ。特にレース終盤は楽しめた。

 カルロス(・サインツJr.)は、僕やフェリペ(・マッサ)とは違う戦略で走り、違うタイヤをつけていた。そのために僕らは追いついていくことができた。

 その時のタイヤの状態はトロロッソより僕らの方がよかったから、そのアドバンテージを利用した。最後の数周はかなりハードだったよ。
 
 僕らの方が少しスピードで勝っていたので、オーバーテイクをするために果敢にトライした。トロロッソはストレートで遅かったから、オーバーテイクするのはとても楽だった。DRSを使えばよかったんだ。45周にわたってカルロスの後ろを走ったが、彼は本当に素晴らしい走りをしていた。一貫していて、ミスは全く犯さなかった。すごいバトルができたね。

 今日ウイリアムズの前に出るためには、タイトな低速コーナーのような、違う場所で、強引にオーバーテイクする必要があった。難しかったけれど、見ていたファンは楽しんでくれたんじゃないかな。
 
 今日の結果はモチベーションにつながる。5位を獲得できてハッピーだよ。とはいえ何人かが脱落したためにポジションを上げたのは確かだし、今週末を通してペースはあまりよくなかった。その理由を理解する必要はあるね。

■ スクーデリア・トロロッソ
カルロス・サインツJr. 決勝=6位
 今日の成績は、僕とチームにとって本当に特別なものだ。まさに最高の結果だよ!
 シーズンの終わりまで頑張っていけるように、みんなを勇気付け、チームの士気を高める方法として、これ以上のものはない。このサーキットに何があるのかわからないけど、僕はここでレースをすると、いつもすごくいいフィーリングで走れるんだ。この週末のことは、これからもずっと忘れないと思うよ。

 僕のF1でのベストリザルトに並ぶ成績を残せてとてもうれしいけど、今回の6位はバルセロナのときとは、また少し違う意味合いがある。

 クルマのポテンシャルから言って、ここで6位に入れるとは思っていなかったからだ。レース前のチームのシミュレーションの結果は11位か12位あたりというものだったのに、実際には5位を争ったのだからね。

 最初のスティントでは、(フェリペ・)マッサのウイリアムズから大きく離されないようにしながら、うまくタイヤを持たせることができたし、その後はソフトタイヤでフェルナンド(・アロンソ)との間に十分なギャップを築くこともできた。

 VSC(バーチャル・セーフティカー)のタイミングがラッキーだったこともある。あれのおかげで、いきなりマッサの前に出られたんだ。

 最後のスティントをソフトで走りきるのが、かなり難しいことは最初からわかっていた。けれども、僕は何とかやってやろうと決心していたし、実際にそのセットでフィニッシュまでもっていくことができた。

 最後の2周ほどは、もう完全にタイヤが終わっていて、ただ必死でドライブしているような状態だったけどね!

 フェルナンドとのバトルはとても楽しかったよ。最終的には抜かれるだろうと覚悟していたけど、「彼にも少し苦労をさせてやろうじゃないか」と思いながら戦った。
 彼がどんなふうに仕掛けてくるか、それに対して僕はどうディフェンスすべきかも、完璧にわかっていた。何しろ、僕はこの12年間、ずっと彼のレースを見てきたんだ……。

 彼がDRSを使って「チャオ!」と言いながら抜いていくまで、あれだけ長い間抑え続けることができたのだから、上出来だったと思うよ!

 とにかく最高にハッピーだ。あまり喜びを顔には出さないようにしているけど、いま僕の心の中がどうなっているか、たぶん他人には想像もつかないと思うよ。今夜はシャンペンを開けてお祝いをするつもりだ。僕としては、まるで優勝したような気分だからね!


■ ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 決勝=7位
 スタートはかなり良かったし、途中まではすばらしく順調なレースだった。最初のコーナーでは、接触を避けながら2台をパスすることができた。そして、その後もペースが良かったので、僕は後続を引き離しつつあった。

 だけど、バーチャル・セーフティーカーが入ったことが、僕には本当にアンラッキーだった。9秒後方を走っていた(カルロス・)サインツが、大きくタイムを稼いで僕の目の前に現われ、結果的にはポイントも稼いでいったんだ。

 終盤には、フェルナンド(・アロンソ)がインに飛び込んできて僕のクルマをヒットし、そのせいでタイヤがパンクしてしまった。あれで6位フィニッシュ、あるいは5位に入れたかもしれないチャンスは台無しになった。

 それでも何とか7位でレースを終えて、フォース・インディアとの差を詰めることはできたものの、本当ならもっと彼らに迫れたはずだ。もうこのレースは忘れて、次のメキシコのことだけを考えるよ。
 
(Sky Sportsに対してアロンソとの接触について語り)僕が普通にコーナリングしていたら、彼がインに飛び込んできた。すでにコーナーに入っている僕のマシンにヒットし、おかげで僕のタイヤがパンクした。その瞬間に僕のチャンスが消えたんだ。間違いなく彼に責任がある。

■ サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=8位
 1周目にレースが台無しになりかけたことを考えれば、8位は悪くないリカバリーだったと思う。

 ターン11へのブレーキングで、ミスをしてコントロールを失ったクビアトに激しく追突されたんだ。結果として、僕はいきなり事実上の最後尾まで転落し、クルマにもかなりのダメージを負った。

 そこからの挽回は厳しいものがあったけど、一歩ずつ進んでポイント圏内まで取り戻し、最終的にはまずまずの順位でレースを終えることができた。

 戦略に関する判断はすべて適切で、それがマシンのダメージというハンデを克服するのに役立った。2回のピットストップで、それぞれポジションを上げることができたからね。

 そうした状況から言えば、4ポイントを獲得して、ドライバーズ選手権でも7位に上がれたのは良い結果だった。

 特にリタイアが多かったレースでは、困難な状況に陥ってもあきらめずに頑張って、1点でも多くポイントを獲ることが重要になる。ただ、すべてが順調であれば5位入賞も可能だったはずで、それだけが心残りだ。


■ マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
ジェンソン・バトン 決勝=9位
 昨日は悔しい予選になったけれど、ポイント圏内に入ることができてすごくうれしい。スタートはあちこちでアクションが起きて、かなり混乱していた。19番グリッドとなるとレースが難しくなるものだけど、最初の2周をうまく走り、楽しむこともできた。

 たくさんポジションを上げ、戦ってトップ10圏内まで上り詰めたんだ。2回目のピットストップで僕は少し失敗して、チェコ(ペレス)の後ろに落ちた。でも結局はコース上で抜かれていただろう。

 レース後半はさほどエキサイティングではなかった。タイヤを労わり、後ろとのギャップを計り、最後までタイヤを持たせてチェコをつかまえることを目指した。

 でもあと3秒届かなかった。9位という結果は悪くない。チームのふたりが揃ってポイントが取れたのは素晴らしいことだ。フェルナンド(・アロンソ)は最高の仕事をして5位を獲得した。彼は今日、ものすごく速かったね。それにセーフティカーのタイミングもかなり有利に働いた。いつか僕らにもそういう幸運が訪れるさ。
 
 何度かすごくいいオーバーテイクをした。特にターン1進入でクリーンなアクションをしたし、バトルをしながら順位を上げていくことで、余計に楽しかった。

 今シーズンの残りのレースでは土曜の作業をうまくやることが重要だ。判断間違いをせずに、トップ10に近い位置を確保することを目指す。そうすればもっといい位置を狙って戦うことができる。

 次のメキシコシティがうまくいくことを願っている。今からわくわくしているよ。次はいい結果を出せるといいね。

■ ハースF1チーム
ロマン・グロージャン 決勝=10位
 今日はそれほど悪くなかった。1周目はあちこちで混乱があったけど、何とか無事に切り抜けることができた。その後は攻撃的な戦略でプッシュし、結果としてうまく行ったので、その点では満足しているよ。

 ポイント圏内まで浮上できたのは、上位の何台かがリタイアしたという幸運もあってのことだけど、まずはレースを完走しないと話にならないからね。チームの母国の観衆の前で、1点とはいえポイントを獲れたのは良いことだ。チームのみんなのためにも、望ましい結果を残せてうれしいよ。

 ポイントの獲得は本当に久しぶりだ。このシーズン終盤に来て、またポイントを獲れるようになったのは、言うまでもなくすばらしいことだと思う。