10月14~16日、イタリアのムジェロで開催されたカンピオナート・イタリアーノ・グランツーリスモ(イタリアGT)の最終ラウンドにFIA-F4選手権に参戦中の根本悠生が106号車ランボルギーニ・ウラカンで出場。スーパーGTカップの第13戦・第14戦でともに2位に入り、チームメイトのタイトル獲得に貢献した。
先月、イタリア・バレルンガで行われた第5大会から、ヴィンチェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)に合流した根本。初戦となったバレルンガの第10戦で優勝すると、イモラで行われた第6大会では2連勝し、チームメイトのニコラス・コスタをドライバーズランキング首位に押し上げた。
そして迎えた最終ラウンド、ウエットコンディションとなった予選セッションで根本は予選1回目に出走すると、ライバルを0.2秒引き離し、ただひとり1分51秒台のタイムを記録してポールポジションを獲得する。予選2回目は僚友コスタがアタックを行い、トップタイムを記録。106号車は両レースとも先頭からレースをスタートすることとなった。
翌土曜日に行われた第13戦決勝、3連勝中の106号車には30秒のタイムハンデが与えられていることもあり、根本はスタートからファステストラップを記録する走りで猛プッシュ。後続を引き離しにかかる。しかし、30秒のハンデは大きく、コスタにドライバー交代した段階でポジションを落としてしまう。
ステアリングを引き継いだコスタは、根本同様に激しい追い上げをみせ2番手までポジションを上げると、その後はポイント確保を優先してポジションをキープ。そのままチェッカーを受け、タイトル獲得に王手をかけた。
続く第14戦、ポールからスタートしたコスタは2番手のマッテオ・デシデリ/笠井崇志組104号車ウラカンを抑える粘りの走りをみせるが、ピットレーンがオープンとなった11周目、1コーナーで他車がアクシデントを起こしたことでセーフティカーが導入される波乱が起きる。
このタイミングでトップのコスタは即座にピットイン。ステアリングを根本に引き継ぐ。一方、104号車はチームとのコミュニケーションがうまく行かずにステイアウト。結果的に大きく順位を落としてしまった。
30秒のタイムハンデを消化した106号車ウラカンの根本は7番手で戦列に復帰すると、前を行くマシンを次々と交わして2番手までポジションアップを果たす。その後、トップを走るマシンがレース後10秒のタイムペナルティを与えられることを知らされた根本は、トップとのギャップをコントロールしながらチェッカー。繰り上がりで優勝を飾るとともに、チームメイトのコスタに悲願のシリーズチャンピオンをもたらしてみせた。
レース後、根本は「ニコラス(・コスタ)がうまく2位を抑えつつ、大きなギャップを作ってくれたので、自分のスティントでうまく走れば優勝のチャンスはあると信じていました」と振り返った。
「ピットアウト後、一時は7番手までドロップしましたが、あきらめずに全力でプッシュしたことが優勝につながったのだと思います」
「この週末をふたたびVSRとともに過ごせたこと、そしてイタリアGTでの最後のレースを優勝で締めくくり、チームメイトのニコラス・コスタ選手のチャンピオン獲得に貢献できたことを誇りに思います」
参戦6戦中4戦で勝利を挙げた根本。この活躍はチームだけでなく、ランボルギーニ本社からも高い評価を受けているとのことだ。