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S耐第5戦:KONDO RACING初の栄冠。24号車GT-Rが連勝で王座獲得

2016年10月24日 13:21  AUTOSPORT web

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スーパー耐久第5戦岡山を制し、最終戦前に王座を獲得した24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-R
スーパー耐久シリーズ第5戦が岡山国際サーキットを舞台に、10月22~23日に開催された。今季2度目の2グループ開催で、午前のグループ2決勝ではTC CORSA iRacing ROADSTERの近藤翼/堤優威/加藤彰彬組が、そして午後のグループ1決勝ではスリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大/藤井誠暢/平峰一貴組が、それぞれ総合優勝を飾っている。

 年間エントリーが65台に達したこともあり、さまざまレーススタイルが取り入れられている、今年のスーパー耐久シリーズ。岡山国際サーキットでの第5戦は2グループ開催で、しかも1日のうちに2レース行う今年初めてのスケジュールで行われた。


 ST-4クラスとST-5クラスによるグループ2では、特にST-4クラスで激しいトップ争いが繰り広げられていた。予選こそ7番手に留まっていたENDLESS ADVAN 86の村田信博/小河諒/元嶋佑弥組だったが、決勝では着実に追い上げて、クラスポールだったTOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の松井孝允/井口卓人/蒲生尚弥組に、終盤は急接近。ラストスティントでは逆転にも成功する。

 前回に続いてゴール間際は元嶋と蒲生によるバトルとなり、残り30分を切ったところで、いったんは蒲生がトップに。しかし、すぐに抜き返そうとした元嶋がヘアピンでインを差したものの、その直後に2台は接触してしまう。

 蒲生はホイールにダメージを負って後退、トップで踏みとどまった元嶋がトップチェッカーを受け、ENDLESS ADVAN 86が最終戦を待たず、チャンピオンを決めたかと思われた。しかし、蒲生との接触が危険行為と判定され、30秒加算のペナルティで3位に降格となる。


 繰り上がって優勝を飾ったのは、TC CORSE iRacing ROADSTERの近藤翼/堤優威/加藤彰彬組。ST-4クラスでロードスターの勝利はもちろん初めてで、シリーズ参戦3年目の快挙ともなった。

「今回は練習から調子が良かったので、4位とか5位には行けるかなと思っていたら、まさかこんな成績になるとは!」と近藤。ドライバー自身も驚きの様子だった。

 一方、ここまでの4戦すべてでウィナーが入れ替わっていたST-5クラスは、ついに2勝目を、しかも連勝で飾るチームが現れた。2戦連続で笑顔を見せたのは、BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FITの古宮正信/松田智也/吉本晶哉組。そして2位でゴールした、BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITの大野尊久/梅本淳一組が、ランキングのトップに返り咲くこととなった。

 午後から行われたST-Xクラス、ST-1クラス、ST-2クラス、そしてST-3クラスによるグループ1では、すべてチャンピオンが最終戦を待たずに決まることに。

 まず、ST-Xクラスではスリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大/藤井誠暢/平峰一貴組が、ポール・トゥ・ウィンで圧勝。今季4勝目をマークして王座を獲得した。これは近藤真彦監督率いるKONDO RACINGにとって、初の栄冠ともなった。


「初めてレースで涙を流してしまいました。教育プログラムとして学生がかかわって、公式レースで年間チャンピオンというのは世界的にもたぶん例を見ないこと。今年は集大成の年にしたいと思っていましたが、目標が叶って最高に嬉しいです!」と藤井。


 孤軍奮闘の戦いが続き、今回もライバル不在とあって、戦わずして王座が決まっていたのがST-1クラスでD’station Porsche 991を駆る、星野敏/荒聖治組。プレッシャーから解放された影響からか、ノーミスの完璧な展開で総合7位を獲得し、ST-Xクラス勢の間に割って入った。

 ST-2クラスでは、昨年の開幕戦以来の勝利を、RSオガワADVANランサーの下垣和也/松本武士/松本説秀組が挙げることとなった。そして、チャンピオンは2位でゴールのDAMD MOTUL ED WRX STIを駆る、大澤学/後藤比東至/檜井保孝組が獲得、クラス4連覇を達成した。

「今年から大幅に体制を改めて、自分としてもやることが増えて大変だったんですが、こうしてまたチャンピオン獲れて、今までにない達成感があります」と大澤。

 ST-3クラスは、またしてもMUTA Racing TWS IS350の堀田誠/阪口良平組が圧勝。終盤にはST-Xクラスの車両と接触する思いがけぬハプニングもあったが、ドライブしていた阪口の機転で最悪の事態は回避し、4勝目を挙げ悲願を達成した。


「(ST-Xクラスの車両と)当たる直前にハンドルをまっすぐにして、ダメージをフェンダーだけに留めたのが良かった。そうでなければピットインだったでしょう」と阪口。そして初タイトルとなった堀田は、「まだ実感がわかないんですよ。後から計算間違いでした、なんて言われそうで(笑)。でも、レースをやってきて初めて『足跡』を残せましたから、これからジワジワ来るものだと信じています」と、笑顔で語っていた。

 今シーズンのスーパー耐久締めくくりとなる最終戦は11月19~20日にオートポリスで行われる。