フェルナンド・アロンソは、今年の2017年仕様タイヤのテストにマクラーレンが参加しなかったことで、大切な機会を逃したと感じている。
メルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームは、今季中に24回に分けて行われるテストセッションへの参加要請に応じ、トレッド幅が広くなる来年の新しいタイヤの開発を支援してきた。しかし、マクラーレンは、リソースを2017年のマシンのデザインに集中させる必要があり、2つの並行するプログラムを抱えることは避けたいとして、テストへの参加を固辞した。
テストに参加したチームが何らかのアドバンテージを得ることはないと、ピレリは主張している。だがアロンソは、マクラーレンが重要な機会を逸したと考えているようだ。
テスト参加にメリットはあるかとの問いに、元ワールドチャンピオンはこう答えた。「ああ。どんなテストでも、必ず何かしら学べるものはあるし、来年のタイヤのフィーリングはつかめるはずだ。クルマは旧型(2015年のマシンの改造版)だとしても、参加したチームがタイヤの挙動や、グリップの変化について学習できるのは間違いない」
「アドバンテージはない、と彼らが言うのは、実際にはアドバンテージを得ているからだ。それが何よりの証拠じゃないかな……」
マクラーレンが不参加を決めた理由について、アロンソはこう語っている。「僕らは参加したかったんだ。だが、クリアしなければならない条件があって、参加は不可能だった」
メルセデスのニコ・ロズベルグは、先週初めて2017年タイヤのテストに参加した。ただ、バルセロナでのセッションは天候に恵まれず、走行は60周ほどにとどまった。テストを終えたロズベルグは、次のように述べた。
「彼ら(ピレリ)がどんな考え方で、何を計画しているのか、およその見当がついたという意味で有益だった。この新しいタイヤのフィーリングとか、クルマに履かせた時にどんなバランスになり、どんな制限があるかとか、そういったこともね」
「興味深いテストだったよ。まだ初期段階ではあるものの、いくつかの有意義な発見があった。グリップレベルが高いからフィーリングはいい。オーバーヒートも起こしにくいし、いまのところ小さな制限的要素がいくつか見られるだけなので、このタイヤならドライブするのが楽しいと思う」
マノーのパスカル・ウェーレインは、これまでのところ、今季のタイヤテストで最も走行経験の豊富なドライバーだ。メルセデス傘下のジュニアドライバーである彼も、実際にこのタイヤでコースを走った時間は重要なものだったと考えている。
「パフォーマンスの面で言えば、新しいタイヤの方が確実に速い。テストで走らせているのは2015年型のメルセデスだから、新しいクルマに履かせるとまた違ってくるかもしれない。その相関を現時点で判断するのは難しいよ」
「だけど、今年のタイヤと比べれば、新しいタイヤの方が速いということは間違いなく言える。まあ、結局は来年のクルマがどうなるかによるところが大きいし、ピレリもまだ来年のコンパウンドを決めていないからね」