2016.10.21 ロードレース世界選手権 第16戦 オーストラリアGP フリー走行
[MotoGP] 雨と風に翻ろうされたフリー走行でクラッチローがトップタイム。ミラー3番手、マルケス4番手、代役出場のヘイデンは9番手
2016年10月21日(金)・フリー走行
会場:フィリップアイランド・サーキット
天候:雨
気温:10℃
コースコンディション:ウエット
MotoGP レポート
日本GPからの連戦となる第16戦オーストラリアGPのフリー走行は、断続的に強い雨が降る厳しいコンディションの中で行われ、カル・クラッチロー(LCR Honda MotoGP)がトップタイムをマークしました。3番手にホームGPを迎えて気合満点のジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Mark VDS)、4番手にマルク・マルケス(Repsol Honda Team)、9番手に負傷欠場のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)の代役として出場のニッキー・ヘイデン(Repsol Honda Team)と続き、Honda勢が好調なスタートを切りました。
午前中は、時間を追うごとに雨脚が強くなり、午後のセッションはさらに天候が悪化。40分遅れで開始されました。しかし、雨は一時的に小降りになっただけで、再び雨脚が強まったことから赤旗中断となり、そのままセッションはキャンセルとなりました。
この日は、終日の雨と低い気温、加えて風の強い一日となり、選手たちにとっては厳しい走行を強いられました。その中でコースインから着実にタイムを短縮したクラッチローが、キャリア初の初日総合首位に浮上しました。今年は雨の第11戦チェコGPで優勝しています。この日もウエットコンディションですばらしい走りを披露しました。
3番手には地元ファンの声援を受けるミラーで、まずは、ファンの期待に応える走りを披露することになりました。午後のセッションはキャンセルとなりましたが、2日目のフリー走行、予選では、初日の勢いをキープする意気込み。地元ファンの注目が集まっています。
4番手には2016年シーズンのチャンピオンに輝いたマルケスで、レインタイヤのフィーリングの確認をしながら慎重に走行しました。午前中のセッションは、時間を追うごとに雨量が多くなったことで早めに走行を切り上げて4番手でしたが、2日目の予選では3年連続ポールポジションを狙います。
ペドロサの代役として8年ぶりにRepsol Honda Teamから出場したニッキー・ヘイデンは、ポジションの調整などを行いながら周回を重ねて9番手につけました。ペドロサのマシンを自分の好みにしつつ、ミシュランのレインタイヤに慣れる一日となりました。
ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は15番手でしたが、難しいコンディションの中で連続ラップを刻み、レインタイヤのフィーリングをつかむことに成功しました。
難しくフラストレーションのたまる初日のフリー走行ですが、順調にラップを刻んだHonda勢の2日目のフリー走行と予選の走りに期待されます。
MotoGP コメント
カル・クラッチロー(MotoGP 1番手)
「今日は残念な一日でした。もちろん天候も残念でしたが、午後のセッションは、ライダーの安全も考えなければならないので仕方ありません。このサーキットは高速で、午前中も視界が非常に悪かったのですが、さらに天候が悪い午後のセッションではリスクを負う理由もありませんでした。僕はつなぎを着ることさえしませんでした。これから明日に向けて集中する必要があります。明日もウエットになりそうなので、今日の午後は走る必要もありませんでした。雨の中をサーキットに来てくれたファンは走行が見られず本当に気の毒です。でも安全を考慮しなければなりません。全員がいい形で週末を過ごさなければなりません。明日の予選と日曜日の決勝が楽しみです」
ジャック・ミラー(MotoGP 3番手)
「今日はコンディションが非常に悪い一日でした。それでも応援に来てくれたファンに、まずは感謝したいです。午前中のセッションは、雨のセットアップを進めるという点では悪くありませんでした。しかし、午後は豪雨になりとても危険でした。セッションをキャンセルしたのは正しい判断だったと思います。このようなコンディションでは走れません。みんなのためにも明日の天気がよくなることを願っています。もしフリーと予選がウエットになったら力強い走りをする自信があります。今日はウエットでいいスピードがありました。もし、明日がドライになっても、ウエットだった今日のことはあまり影響ないと思います」
マルク・マルケス(MotoGP 4番手)
「今日は一年で最も楽しい一日にはなりませんでした。日本グランプリを終え、ドライセッションでマシンで楽しく走らせられることを願っていましたが、そうはいきませんでした。一日中、雨が降っていました。午前中は数周走りましたが、セッション終盤はコース上に雨水がかなりたまってきたので走行をやめることにしました。午後も雨が降って危険な状態でした。そのため赤旗が振られました。こういう状況でリスクを負う必要が全くなかったので走りませんでした。明日は少しでもコンディションがよくなり、コース上の雨水が減ることを願っています。そして日曜日に向けて仕事を続けられることを願っています」
ニッキー・ヘイデン(MotoGP 9番手)
「今日のコンディションは明らかに理想には程遠かったです。でもこのようなことは時々起きます。午前中はマシンの感触はかなりよかったです。結構快適でしたし、雨が強くなり始めたときにちょうどスピードを上げようとがんばっていました。コース上の雨水が多すぎたのでピットに戻りました。残念ながら今日はあまり周回できませんでしたが、マシンの感触はよかったです。午前中の2回目のスティントでは、路面コンディションが悪化していたにも関わらず、ラップタイムを更新できました。かなりポジティブな結果でした。今後どのようなコンディションに仕上がっていくかは様子を見なければなりません。マシンとチームの理解をもっと深めるために、できる限りコースで時間を費やしたいです。引き続きがんばります」
ティト・ラバト(MotoGP 15番手)
「今日は天候が悪く、とても難しかったです。FP1はフルウエットでしたが、満足できるペースと感触がつかめたのでよかったです。午後のようなコンディションでは走行は不可能です。残念ながら明日もウエットになりそうですが、今日よりいいコンディションになり、少なくとも走行ができることを願っています。そして決勝レースに向けてはどうなるか様子をみたいです。天候は変わりやすいので、どのような天候になっても素早く対応できるように準備を整えなければなりません。FP2では数周走りましたが、最悪でした。あちこちでスピンして危険でした。転倒しやすかったので赤旗中断、そしてキャンセルは本当に正しかったと思います」