マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンは、若い年齢層のファンを獲得するためにF1のレースをもっと短くしてはどうかと提案した。90分の決勝のうち、オーバーテイクなど動きがあるのは10分だとすると、その他の80分をじっと見ているのは若いファンにとって難しいと彼は考えている。
バトンは昔からのファンはこういう変化を受け入れがたいかもしれないとしながらも、ファン層拡大には何らかの変化が必要だと主張している。
「10年、20年にわたってグランプリの週末全体を見てきた筋金入りのファンは今後も残るだろうが、僕らが新たに獲得しようとしているのはそういう人たちではない」とバトンはアメリカGPを前にして語った。
「若い人たちにアピールする必要がある。彼らを1時間半引き付けておくのはかなり難しい」
「彼らは飽きっぽい。子どものように、じっと座ってひとつのことを長くやっていることができない。だから僕らは何か違うことをしなければならない」
「僕自身、テレビの前に座って1時間半も映画を見たりできない。いつも動いていたいんだ」
「F1を変えるのは残念なことだ。今までこういう形でやってきたものをね。でもこのスポーツをふさわしい状態に置くためには、時代と共に変化する必要がある」
F1は大きな動きがないレースであっても面白いと言うバトンだが、「退屈」と評されることにも理解を示している。
「僕はF1を見ている時、エキサイティングだと思っている」とバトンは言う。
「でも他の人たちは『オーバーテイクが少ない。1時間半の中で何か動きがあったのは10分だけじゃないか』と言うかもしれない」
「僕としてはそこがわくわくするんだけどね。そういう動きが成功したとき、そのドライバーはぎりぎりのところですべてを賭けたわけだから」
「でも大部分の人にとっては、1時間半の間に10分というのは少なすぎる。それは僕も理解できる」
「短時間のレース、短時間のスポーツが人気がある」
「たとえば僕はツール・ド・フランスのステージ(全部)を見たことはない。録画しておいて最後の10分だけ見ることはあるが」
「F1は若いファンを呼び込む必要がある。そのためにどうするかの判断が難しい」