セバスチャン・ベッテルは、今年、ライバルであるメルセデスとのギャップが広がるばかりだとしてフェラーリはしばしば批判されるが、それは不当であると考えている。
メルセデスは前戦日本GPで3年連続でのF1コンストラクターズタイトルを確定させた。フェラーリは、鈴鹿ではペースの面でレッドブルより優れていたと感じたと言うが、残り4戦の時点で、ランキング2位のレッドブルにフェラーリは50ポイントもの差をつけられている。フェラーリがメルセデスに近づくどころかますますギャップが開いているとして、評論家たちは嘆いているが、これについてベッテルは正当な根拠がないと主張した。
「メルセデスとの差はかなり安定している」とベッテルは言う。
「レースによって近づいたり遠のいたりしているんだ」
「予選ではギャップが大きいけど、決勝ではそれが少し縮まる。それでも差はまだあるけれどね」
「今年初めの時点では僕らは間違いなく(メルセデスに次ぐ)2番手だった。それがシーズンが終わりに近づくにつれて、何度かペースの面で遅れが見られた。それでもかなり僅差だと思っている」
「僕らがとてつもなく後れを取っているというのは正しくない。0.15(秒)差は大きくはない」
「僕らがレッドブルと同レベルなのは明らかだ。コンストラクターズ(チャンピオンシップ)で2位を取り戻すことが目標になると思う」
フェラーリは、7月に当時テクニカルディレクターだったジェイムズ・アリソンが離脱し、技術部門の体制を変えており、方向性を失っているのではないかとの批判も受けている。
チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネは先ごろ、新しい体制はうまく機能しており、チームは「今季設定した目標の達成に失敗」したものの、進歩は見られていると断言した。
ベッテルはアリバベーネの意見に同意しており、今季ここまでポールポジションや勝利はなくとも、フェラーリは方針にこだわって正しいことをしたと確信している。
「高い期待を抱いて今シーズンに臨んだわけだけど、達成すべき目標には届かないと認めるしかなかった」とベッテル。
「予定どおりに進まなかったレースはたくさんあった。でも集中すべき点を見失ったことはなかった」
「だから、不運だとかいろいろ言われるようなことがあったとしても、僕らは自分たちのやり方を貫いたし、それは正しいことだったと思う。僕らは正しい方向に進んでいる」
「いい結果が出ることを望み、どうなるのかを確かめている。望ましい結果が出ることもあれば、そうでないこともある。でも一番重要なのは時としていい結果が出ることだ。これからそうなることを信じている」