2016年のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権で、長らくポイントリーダーとしてチャンピオンシップを牽引してきたチームJCT600withグランドXのサム・トルドフが、最終戦ブランズハッチでの大逆転劇による敗北の後、来季に向けて「BTCCはもとより、モータースポーツ活動の継続自体を再考する」とし、レースから去る可能性があることを明かした。
名門ウエストサリー・レーシングがオペレーションするBMW125i Mスポーツをドライブし、シーズン2勝、7表彰台を獲得したトルドフだが、大きくリードした前半戦と打って変わり、後半戦はウエイトに苦しみスバル・レヴォーグやホンダ・シビック勢の猛追を許した。
そして迎えた最終戦ブランズハッチでのリザルトにより、週末のレース3でチーム・ダイナミクスのゴードン・シェドンに逆転を許す無念の結末となった。
トルドフは現時点で2017年に向けては何も確定したプランを持っておらず、「今後検討する」と話したものの、27歳の彼は家族で経営するイギリス国内最大手の複合カーディーラー『JCT600』の取締役のひとりでもあり、「その役割も果たしていく必要がある」と述べた。
「僕は(レースを)続けないことも考えている。でも、まだ何も決めていない」とトルドフ。
「それが今の偽らざる本音だ。来年もBTCCに戻ってシリーズにフルコミットし、そこで戦い続ける……とは、今はとても言えない」
「僕は僕の時間を取り戻すために、完全に違うことをする必要があるだろうし、その場合には(レースを)完全に辞めてしまうこともあるだろう」
トルドフと彼のマネジメントチームは、2016年の好調なシーズンに全力投球し、集中していたために、来季2017年のプランに関してはまだ何も話し合いを持っていないという。
「僕らは2016年(のタイトル)を手に入れることを望み、それを最優先にしてきた」
「だから正直に言って、今から何をすべきか、何をしないでおくべきかを熟慮しなくてはならない。『モーターレーシングを永遠に続ける』と発言したこともないわけだからね」
「仕事の上でも、モータースポーツから話題を得ることはプラスだけれど、僕の野望はビジネスで成功を収めることでもある。8歳からカートを始めて19年も走ってきたけど、時にはタフな決断をしなければならないときもあるんだ」