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東京ガレージ・パンクシーンを追ったドキュメンタリー『GARAGE ROCKIN' CRAZE』公開決定

2016年10月21日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『GARAGE ROCKIN' CRAZE』(c)2016 Freza Films

 東京のガレージ・パンクシーンの中心にあるイベント“Back From The Grave”と、それを取り巻くバンドや観客、主催者などを追ったドキュメンタリー映画『GARAGE ROCKIN' CRAZE』が、2017年1月14日から渋谷HUMAXシネマにて公開されることが決定した。


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 本作は、クロアチア出身のマリオ・クジク監督が制作したドキュメンタリー映画。1980年代後半に新宿JAMでスタートし、The 5.6.7.8's、ギターウルフ、TEENGENERATE、Jackie & The Cedricsなど、数々のジャパニーズ・ガレージ・パンク・バンドを生み出したガレージ・パンク・イベント "Back From The Grave"の30年を描き出す。


 “Back From The Grave”に自分の“場所”を見つけたクジク監督が、脚本(構成)を担当したB・B・クラークとともに、6年の歳月を費やしながら完成させた本作には、主宰のDaddy-O-Novをはじめ、The 5.6.7.8's、Great3、ギターウルフなどが出演する。


 メインビジュアルは世界的に活躍する覆面画家Rockin'Jelly Beanが描き下ろしている。あわせて公開された予告編には、主宰Daddy-O-Novのインタビューや“Back From The Grave”出演バンドのライブ映像などが収録されている。


 なお、10月28日・29日には、『GARAGE ROCKIN' CRAZE』の公開と、The 5.6.7.8's結成30周年を記念したイベントの開催も決定している。


<マリオ・クジク監督からのメッセージ>
1999年にカナダから東京に引っ越した私は、英語講師のかたわら他にも達成感の得られ無い仕事をやってきた。30代に入って「このストレスや創作意欲の捌け口を見つけなければ自分の人生はこのままだ。」と思った私は、運よくカメラを拾い映画制作に取り組んでみたのだった。幸運にも目の前にいたのは東京のカラフルで熱狂的なバンドたちで、彼らは私が最初に作った短編映画やMVの被写体となった。時が経ち、2011年の東日本大震災で被害を受けた東北をツアーしたバンドの短編ドキュメンタリー映画『Tsunami Attack,』(2012年)や短編作品『Enter The Void』(2009年)に出演したCyril Roy と共同で短編強盗映画『The Swap』(2013 年)を制作した。その後、以前から取り組んでいた東京ガレージ・パンク・シーンを語るドキュメンタリー映画を積極的に進めることにした。そして6年間の撮影と1年半の編集を経て完成したのが『GARAGE ROCKIN' CRAZE』である。本作は自分にとってのロックンロールの定義「心の底から出てくるものを表す。」映画である。2000年代半ばより都内のガレージ・ パンクのイベントに通い始め「アーティストとは作品の制作を通じて幸福を手にする人である。」という事に気付いた。東京のガレージ・パンク・シーンは互いに認め合う“同士”の様なバンドばかりで、彼らは名誉や財産を追うのではなくむしろ創作の自由を求めている。そういう考え方は次第に私に染み込みんで行き、映画制作における自分のやり方の土台となっていった。本作では私に影響を与えた彼らの活動や歴史を掘り下げ、様々な年齢、経歴、性別、そして趣味を持つ人々が集まるシーンを記録している。シーンのリーダー、Daddy-O-Nov氏は決して若くはない労働者だが暇さえあればガレージ・シーンのサポートやプロモーションに全力を尽くしている。彼は音楽シーンにはびこる上下関係を自分のシーンから滅ぼし、誰もが気軽に入り、友達を作り、情報交換の出来る「場所」を作った。私にとって Daddy-O-Nov氏は実に稀有な人物であり、彼の情熱や真摯な姿勢、そして勤勉さを目の当たりにしたからこそ、世界中の人々に彼の話を伝えたくなったのである。


(リアルサウンド編集部)