トロロッソF1は最新の空力アップデートにデザイン上の不備がないことをようやく確認、今シーズンの残りをこのパッケージで走り切ることを決めた。
このパッケージは夏休み前のドイツGPで初めて導入された。だがシンガポールGPまでチームはパッケージ自体やフィードバックのデータを理解するのに苦しんでいた。
シンガポールGPではストリートサーキット用にダウンフォース量を増加させており、セッティングの最適解を導き出すためにカルロス・サインツJr.とダニール・クビアトは新旧両方のスペックを試した。
この混乱を招いていたのはパッケージ自体ではなくライバルたちの進歩であったとの結論に至ったため、チームは日本GPでも新しいパッケージを使用することを決めた。
「僕らは結局この新しいパッケージに落ち着いた。特に大きな違いは見られなかった。コンマ1秒速いか遅いかだね。重要な差じゃない」とサインツ。
「残念なことだ。エアロパッケージ自体の欠陥ではなかった。パッケージは必要な仕事をしている。ただ、他のチームが僕らより改善していただけの話だ。そのために僕らは目標に到達していない」
「他のチームはエンジンとパッケージのアップグレードで大きく進化してきた」
トロロッソは、クビアトの8位によりシンガポールで2ポイント獲得した。しかし、7月のハンガリーGPの後、入賞を成し遂げたのはその1回のみだ。
クビアトは前回の鈴鹿では13位、サインツは17位だった。サインツは鈴鹿ではトップスピードが足りずオーバーテイクが不可能だったと語っている。
新しいエアロパッケージの改良を妨げている一番の問題は、今季トロロッソはフェラーリの2015年型パワーユニットを搭載しており、シーズン中の開発がなされないことだ。
「新しいパッケージを活用できるようなパワーユニットではないんだ」とサインツは述べた。
「マシンにより強力なダウンフォースを加えたら、ドラッグもより強力となる。それを補完する馬力がなければ、パッケージをうまく活用することはできない」
「シーズン初めは、高速において僕らは明らかに誰よりも強かったけど、他の皆が差を縮めてきた」
「もしドラッグのためにダウンフォースを減らしたとしても、もはや高速において群を抜いた強さを発揮できないことはわかっている」
「こういった細かいことがたくさんあって、ルノーやハースといったシーズン序盤には(ライバルとは)考えもしなかったようなチームを相手に苦戦するようになってきた」
「ダウンフォースと効率性だけを見ればすでに最高のマシンのひとつだから、パフォーマンス向上を見つける余地がほとんどなかった」
「パッケージでコンマ1、2秒以上を見つけ出すのはかなり難しい。他のチームがエンジンでコンマ4秒見つけ出したら、僕らの向上はあまり効果がなくなってしまう」