若者の恋愛離れが進み、結婚する人も減少している。厚生労働省が先月発表した人口動態統計(確定値)によると、2015年の婚姻件数は、戦後最小の63万5156組だった。若者が恋愛や結婚に消極的になる要因として、「お金」が挙げられている。
そんな中、総合婚活サービスのIBJは10月19日、「モテる男性の年収」についての調査結果を発表した。お見合い市場では、男性の年収が500万円を超えると女性からの申し込みが急増するのだという。
成婚率が一番高いのは年収600~700万円
調査は、IBJで婚活中の男性会員831人に対して実施。「1人当たりお見合い申し受け数と申し込み数比較」を見ると、申し受け数は年収400万円の男性では38件だったが、年収800~900万円では168件であり約4倍の差がつく。男性にとって年収の高さは、婚活に有利であることを如実に表している。
申し受け数が申し込み数を上回る、つまり女性から求められる男性の年収ラインは500~600万円だった。IBJはこれを「モテの境界線」と表記している。年収500万円といえば、2013年の1世帯あたりの平均所得年収である528万9000円(厚生労働省発表の国民生活基本調査)に近い値であり、妊娠、出産、子育てを安心した環境でしたいという女性の思いがうかがえる。
「年収別の成婚率」(成婚退会した男性会員264人)を見ると、年収400万円では60%、400~500万円では47%、500~600万円では57%となっている。成婚率が最も高かったのは年収600~700万円で76%だった。年収700万円以降は67~68%で推移しており、年収は必ずしも高ければいいというわけではなさそうだ。
IBJも、「年収と相性のバランスがちょうど良い男性が年収600万~700万円の層に多くいるのかもしれません」と分析している。
30代未婚男性で年収500万円以上は2割未満
ただ、仮にそうだとしても年収500万円以上で結婚していない男性はかなり少ない。6月に明治安田生活福祉研究所が発表した調査によると、30代未婚男性で年収500万円以上の人は18.0%しか存在しない。一方で年収200万円~500万円未満が約60%となっている。
お見合い市場ではまずプロフィールで判断しなければいけないので、年収が高い男性が好まれるのは必然ではあるが、いずれにせよ、女性も視野を広げた方が結婚できる確率自体は増えそうではある。ちなみに、年収400万円の男性も成婚率は一応60%となっており、男女双方ともに諦めずに色々な相手と会ってみる、というのが大事だろう。
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