今年度中のFIA GT3ホモロゲーション取得を予定しているホンダ(北米:アキュラ)は、来季2017年に向けて4台の新型NSX GT3を用意。それぞれ2台をふたつの人気レースシリーズ、『SCCAピレリワールドチャレンジ』と『IMSAユナイテッド・スポーツカー選手権(USCCウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ)』に投入する計画を発表した。
先日ロードアトランタで開催されたUSCC最大のイベントとなる『プチ・ル・マン』のデイトナ・プロトタイプクラスで勝利を挙げるなど、名門チームとして活躍するマイケル・シャンク・レーシング(MSR)は、2017年に向けてホンダのファクトリー活動を代表するチームとしてNSX GT3をGTDクラスに2台投入すると発表した。
同じく、長年にわたりアキュラのモータースポーツパートナーを務めるリアルタイム・レーシング(RTR)も、SCCAで走らせているアキュラTLX GTをNSX GT3にスイッチし、こちらも2台のマシン・オペレーションを担当する。
「NSXはホンダとアキュラの技術の粋を集め、最高のパフォーマンスを実現した1台だ。我々はGT3カテゴリーにおいても、その究極のパフォーマンスと性能を証明することを楽しみにしている」と語るのは、アキュラのモータースポーツ活動を統括する北米ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)のプレジデントを務めるアート・セントシアー氏。
この新型NSXのGT3仕様の初期開発は、既報のとおりHGTなどを中心に日本のR&D主導で行われたが、GT3ホモロゲートに向けた最後の仕様決定は、現在HPDと前述の2チームによって進められている。
「ごく控えめに表現しても、2017年のアキュラ・モータースポーツ・プログラムの一翼を担えることにスリルと興奮を感じているよ」と話すのは、MSRチーム代表のマイケル・シャンク。
「この提携はチームの成長を大いに前進させるだろうし、HPDとともに働き、北米での耐久レースの歴史にアキュラとの成功を加えることを非常に楽しみにしている」
また、RTRチーム創設者のピーター・カニンガムも、来季のプログラムに期待感を示した。
「26年前に、初代のNSXをテストした時のことを良く覚えている。当時と同じように今回もGT3のプログラムに関われることを光栄に思う」
「新世代NSXは信じられないほどの性能を併せ持っているし、ピレリワールドチャレンジでのタイトルを獲得する優れた基盤になるだろう」
GT3化される新型NSXは、SH-AWDとハイブリッド機構を降ろしつつも、3.5リッターV6ツインターボは市販モデルとほぼ同等。ブロック、ヘッド、バルブトレーン、クランクシャフト、ピストン、ドライサンプの潤滑システムも生産車と同一となる。
そこに、GT3規定に則り6速のシーケンシャルギヤボックスを組み合わせたMRとし、ディフュザー、エアベント付きのボンネットフード、リヤウイングなどのボディワークのエアロコンポーネントをGT3仕様としている。