フォーミュラEにルノーのカスタマーチームであるテチーターから参戦しているジャン-エリック・ベルニュは、チームが今後進化することで、“大混乱”を起こした開幕戦の過ちは繰り返さないと語った。
元F1ドライバーで今季DSヴァージン・レーシングからテチーターに移籍したベルニュは、フォーミュラEの2016/17シーズン開幕戦で完走できずリタイア。
プレシーズンテストや香港ePrixのプラクティスセッションでも速さをみせていたベルニュにとっては、不本意な結果となった。
公式予選でベルニュは、アタック中に赤旗が掲示される不運もあり、9番手グリッド。決勝ではウォーターポンプ周りにトラブルが発生し、レーススタート早々戦線離脱を余儀なくされる。
その後は、ファステストラップ獲得者へのボーナスポイント獲得を目指し、ベルニュは2台目のマシンに乗り込みコースイン。一度はファステストを記録したものの、直後にフェリックス・ロゼンクビスト(マヒンドラ)に塗り替えられポイント獲得はならず。またファステスト記録直後にバッテリーがオーバーヒートしたため、マシンを降りている。
「不運ではないよ。だからポジティブに受け取らないとね」とベルニュ。
「僕たちは本当に大きな結果、25ポイント、あるいは18ポイントを獲得するチャンスを失った」
「でも、まだ最初のレースだ。まだまだ進化していく余地はあるし、改善するべきポイントも残されている」
「(第2戦が行われる)マラケシュでは、チームが今よりはるかに良い状態になっているはずだよ」
チームメイトのマ・キンファは、1周目の2コーナーでニコラ・プロスト(ルノー・e.ダムス)に詰まったところに他車が追突。プロストのリアに衝突しオープニングラップでリタイアしている。
今季、フォーミュラE初参戦のテチーターはベルニュが“大混乱”と評した開幕戦をターゲットに準備を進めていたといい、ライバルと同じ15日間のプライベートテストでは準備不足だったという。
ライバルとすべてのパワートレイン・マニュファクチャラーに対して与えられた15日間のプライベートテストは適当ではない。
チーム代表のマーク・プレストンは、テチーターが「少し不利な状況に置かれている」としたものの、不満を述べるよりもパフォーマンスを発揮することのほうが重要だとコメント。「速いクルマを持っているのだから問題を解消するのは簡単だ」とつけ加えた
開幕戦ではディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)が優勝したものの、ポールポジションとファステストラップに与えられるボーナスポイントはのがしており、ベルニュはタイトル獲得は現実的な目標だと意気込む。
「(クルマの)感触はとても良い。(勝利するのは)時間の問題だよ」
「僕はベストなマシンの1台に乗り込んでいる。それに僕は自分自身をグリッド上で最悪のドライバーだとは思っていない。自分の才能を信じているからね」
「レースで勝てると思っているし、チャンピオンシップ争いに加わることもできると確信している」
「この考えを僕だけでなくチームの皆にも持ってほしい。今はチーム全体に、この考えが行き渡っていないんだ」
「遅かれ早かれ、状況は変化するはずだ。それは間違いないよ」