マーカス・エリクソンは、ザウバーF1が来年フェラーリの1年落ちパワーユニットを使用するという判断を下したことに当初は疑問を感じたという。しかしチームと話をしてそれが最善の策であると納得したということだ。
BMW傘下にあった4シーズンを除いて1997年からフェラーリの顧客であるザウバーは、2016年製スペックのパワーユニットを翌年も採用することに決めた。
ザウバーは、来年F1で空力規則が大きく変更されるため、それに集中したいとして、この判断を下した。ザウバーに来年残留するとみられるエリクソンは、今年フェラーリの15年型エンジンを搭載し、シーズンが進行するに従って苦戦するようになったトロロッソを例に挙げて、当初はチームの判断に疑問を呈していた。
「最初にそのことを聞いた時、とても疑問に思った。“それが本当に行くべき道なのか?”と」とエリクソンは述べた。
「トロロッソがいかに低迷したかを見ているからね」
「それで僕はサーキット現場に来ているスタッフやファクトリーのスタッフと納得のいく説明があるのか話をしてみた。来年は規則にとても大きな変化があるし、僕らは小規模なチームなのだ」
「(今年と同じパワーユニットを使うことで)チームは来年に向けてマシンの開発に集中できる。自分たちがどんなパッケージ、どんなパワーユニットを使うことになるのか既に分かっているというのは助けになる」
「今、シャシーはあるべき状態にはない。その上、エンジンパッケージのことがよく分からない状態で冬を迎えるのでは、より苦労することになる」
「エンジンのことが分かっていれば、シャシーの面に力をより注げる」
チームメイトのフェリペ・ナッセもこの選択を支持している。
「シャシーのエアロ面に力を集中させてきた。来年に向けてその面に焦点を当てるべきだ」
「2016年に僕らは最新スペックのエンジンを使用してきたが、マシン自体の力がかなり不足していた」
「今年はコーナリングスピード、トラクション、ブレーキングの面が弱かった。これらの面に集中し、改善する余地はまだまだあると思う。シャシーサイドにはもっとよくできるポテンシャルがあるんだ」
■ザウバーの前途は多難と、サインツ
今年2015年型フェラーリを搭載しているトロロッソは、シーズンが進行するにつれて序列を落としていった。同チームは来年、ルノーの最新型パワーユニットに戻ることを決めている。
カルロス・サインツJr.は彼らが積んでいる古いパワーユニットは、今やパフォーマンス上、他のユニットより劣っていると確信しており、「マクラーレン・ホンダは開発において僕らより一歩前にいる」と語っている。サインツは、ザウバーは2017年に大きな課題に直面することになると感じている。
ザウバーの選択について聞かれたサインツは、「彼らの幸運を祈るよ」と答えた。
「普通に考えて、一歩遅れを取る。シーズン中、(開発されない)同じエンジンで過ごすとしたら、彼らは上位に浮上することはないだろう」
「簡単にはいかない。でも僕らとしては彼らが下位にいてくれた方がもちろん都合がいいけどね」